2012年06月11日-06月15日
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「神舟9号」、本日「天宮1号」とドッキングへ

2012年06月18日

 専門家によると、宇宙船「神舟9号」は北京時間18日午後2時(日本時間同3時)ごろから、自律制御に切り替えられ、宇宙実験機「天宮1号」との自動制御によるドッキングを行う。中国が有人ドッキングを行うのはこれが初となる。中国新聞網が報じた。

 ▽ドッキングのプロセス

 3人の宇宙飛行士を乗せた神舟9号は16日夕方に打上げられた。計画によると、宇宙船は約10日間にわたる飛行の中で、天宮1号と2度にわたるドッキングを行う。うち、1回目は自動制御によるドッキング、2回目は宇宙飛行士の手動制御によるドッキングとなる。

 神舟9号打上げの20日ほど前、天宮1号はドッキングに備え、地上約343キロメートルのドッキング軌道にまで高度を下げた。

 北京宇宙飛行制御センターは17日以降、数回にわたって神舟9号の軌道調整を行い、近地点・遠地点の調整、軌道面の修正などを完了、軌道を円に近づけた。神舟9号は天宮1号よりも52キロメートル低い軌道に到達し、ドッキングに向け準備を整えた。

 有人ドッキング任務の観測制御通信指揮部、飛行制御グループの責任者である麻永平氏によると、神舟9号は18日午後2時ごろから、自律制御に切り替えられ、天宮1号と自動制御によるドッキングを行うという。このプロセスは、昨年実施された天宮1号と神舟8号のプロセスとほとんど同じだ。

 神舟9号と天宮1号の自動ドッキング後、宇宙飛行士は地上からの指揮・サポートを受けつつ、結合体のステータス設定と検査を行う。その後、各モジュールのハッチを開き、天宮1号の実験モジュールへと移動する。

 結合体の飛行期間中は天宮1号が飛行の制御を行い、宇宙船は停船状態となる。宇宙飛行士は神舟9号の軌道モジュール内で食事をとり、天宮1号内で科学実験、技術実験、トレーニングを行い、休憩する。

 その後、宇宙飛行士は手動ドッキング実験を行うため再び神舟9号へと戻り、全てのハッチを閉じる。宇宙船は天宮1号から約400メートル離れた地点へと撤退した後、自律制御で再び接近し、140メートルのところで止まる。その後は宇宙飛行士による手動制御となる。

 宇宙飛行士は姿勢制御とコントローラーの操作を通じ、宇宙船を天宮1号に徐々に近づけていく。ドッキング機構との接触の瞬間まで、完全に手動で制御される。ドッキング成功後、宇宙飛行士らは再び天宮1号内へと移動する。

 宇宙飛行士は最後に、帰還に向けて神舟9号の帰還モジュールへと移動する。2つの宇宙機は分離し、宇宙飛行士は手動制御で宇宙船を140メートル離れた位置まで移動させる。その後、神舟9号は自律制御に切り替えられ、引き続き天宮1号から5キロの地点まで撤退する。

 宇宙船が地上の着陸場に帰還した後、地上のスタッフが速やかに宇宙飛行士の捜索および帰還モジュールの回収を行う。天宮1号は地上から370キロメートルの周回軌道に移動し、長期的な運行管理に切り替えられる。

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