2012年07月02日-07月06日
トップ  > 科学技術ニュース>  2012年07月02日-07月06日 >  有人潜水艇「蛟竜号」、軍事的機能は無し

有人潜水艇「蛟竜号」、軍事的機能は無し

2012年07月02日

 中国造船工程学会の方書甲・副理事長(中国船舶重工集団元チーフエンジニア)は6月29日、メディアの取材に答え、「有人潜水艇『蛟竜号』の開発費は2億元(約25億円)未満であるが、潜在的な価値はこれを大きく上回る」と語った。科技日報が1日に報じた。

 「私は『蛟竜号』プロジェクトの立案から試験段階にいたるまで全てに参加してきたため、経費に関しては詳しい」と語る方副理事長は、蛟竜号の開発費について、「国の863計画(ハイテク研究発展計画)に申請し、1998年に経費として1億8千万元が割り当てられた。この1億8千万元は開発費であり、実験費用は海洋部門から拠出された。うち、海水によって腐食しやすい部品や電池などの消耗部品は約2千万元、人件費を含む航行費は5千万元に達した」と紹介した。

 方副理事長によると、「蛟竜号」の経費にはそれほど余裕がなく、絶えず節約・倹約を心がけてきたという。例えば「蛟竜号」の実験に使われる母船「向陽紅09」は、就航期限の過ぎた古い船であり、費用を最低限に抑えることができた。

 このほか、方副理事長によると「蛟竜号」は論証段階から現在にいたるまで、いかなる軍事的機能も備えていない。ただし深海潜水艦の設計に向け参考データを提供することはできるという。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます