2012年07月09日-07月13日
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中米の科学者、耐塩性植物のゲノム解析に成功

2012年07月12日

 中国科学院遺伝および発育生物学研究所(IGDB)・植物ゲノム学国家重点実験室の謝旗・王秀傑・陳受宜・儲成才研究員らの研究チームは、深セン華大ゲノム研究院の王俊研究員、米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のハンズ・ボーナート教授、米パデュー大学の朱健康教授らの研究チームとの協力により、このほど耐塩性植物であるThellungiella salsugineaの全ゲノム解析に成功、極端な環境に対応する植物のメカニズム解明に向け糸口をつかんだ。この研究結果は9日、「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」オンライン版で発表された。科技日報が報じた。

 Thellungiella salsugineaは花をつける耐塩性植物で、双子葉植物の実験でよく使われる「モデル植物」のシロイヌナズナとは近縁関係にある。

 重要なのは、Thellungiella salsugineaが高塩濃度・乾燥・低温などの非生物的ストレスに対し、極めて高い耐性を持つことだ。このため、Thellungiella salsugineaは植物の非生物的ストレス耐性メカニズムの理想的な研究対象と言える。

 このたびのゲノム解析成功は、重要農作物の分子設計・改良、植物の非生物的ストレス耐性向上および、中国の沿海干潟と西部の土地開発利用、国の食糧安全にとって重要な意義を持つ。

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