2012年07月16日-07月20日
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有人潜水艇「蛟竜号」が凱旋

2012年07月17日

 人類初となる水深7000メートル級の海底作業と科学実験任務を終えた有人潜水艇「蛟竜号」潜水試験チームは16日、母船「向陽紅09」に乗って山東省青島市に到着した。国土資源部、国家海洋局が凱旋の歓迎セレモニーを行った。人民日報が報じた。

 国務院の李克強副総理は祝電を寄せ、党中央・国務院を代表し、「蛟竜号」の開発者、潜水試験チーム隊員、保障スタッフに向け祝賀の意を示した。

 李副総理は祝電の中で、「蛟竜号の開発および潜水試験の成功により、中国の深海設備・深海技術は重大な進歩を遂げた。このことは、中国が海洋の認識・保護・開発能力を向上させ、海洋大国から海洋強国へと転換を図る上で、重要かつ深遠な影響を及ぼすだろう。これからも、科学的かつ現実的、団結と協力、粘り強さという伝統的精神を発揚し、中国の有人潜水艇事業をさらなる高みへと引き上げていくことを望む」と指摘した。

 「向陽紅09」は今年6月3日、7000メートル級潜水試験のために江蘇省江陰市の港からマリアナ海溝へと出発した。蛟竜号は計6回にわたる潜水試験を行い、うち3回で水深7000メートル超えを果たした。最大潜水深度は7062メートル。

 潜水試験では、潜水艇(289項目)、水上サポートシステム(24項目)の機能と性能指標を逐一検証したほか、海底での作業、海底近くでの巡航、海底地形の測量などを実施、地質・生物・堆積物・海水のサンプルを取得し、貴重な海底の映像を大量に記録した。

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