2012年07月16日-07月20日
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中国の調査船、チャレンジャー海淵で測定を実施

2012年07月17日

 中国国土資源部広州海洋地質調査局が明らかにしたところによると、同局が所有する中国大型遠洋科学調査船「海洋6号」はこのほど、中国の有人深海潜水艇「蛟竜号」の7000メートル級潜水試験の警戒・保安任務につき、マリアナ海溝南端のチャレンジャー海淵で初めて高精度・多ビーム測定を行い、同分野での中国の空白を埋めた。新華網が伝えた。

 「海洋6号」の首席科学者助理の劉方蘭教授は、「測定結果により、同海淵には水深が1万900メートルに達する3つの窪地があることが明らかになった。最深部は、座標142°12.2'E, 11°19.9'Nの西側の窪地で、水深が1万923メートルに達した」と述べた。

 劉教授は、中国人科学者がマリアナ海溝に対して正確な測定を行ったのは、今回が初めてだと語った。資料によると、英国の「チャレンジャー8世号」が1951年に1万863メートルを測定し、チャレンジャー海淵の水深に関する最も古い報道となった。旧ソ連「ヴィチャージ」は1957年に、最深記録となる1万1034メートルを測定した。

 「海洋6号」は現在西太平洋に向かい、中国大洋第27次第2回海上科学調査を実施している。乗組員は調査を通じ、西太平洋の海底資源の分布の特徴を探る。

 「海洋6号」は、海底の天然ガスハイドレート資源の調査を中心とする、中国初の総合的な国産遠洋調査船だ。最大排水量が5287トンに達し、深海のレーダー測定システム、4000メートル級の深海作業ロボット「海獅号」等、先進的な機器を搭載している。「海洋6号」は2008年に使用開始され、中国海洋地質調査設備が先進国の水準に達したことを示した。

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