2012年07月23日-07月27日
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専門家が語る都市の「治水」

2012年07月23日

 北京市はこのほど観測開始以来最大の豪雨に見舞われ、多数の道路などで冠水が発生し、被害が相次いだ。

 中国水利水電科学研究院(水科院)・洪水干ばつ対策減災研究所の向立雲副所長は「都市における冠水発生の原因は、降雨量が都市の排水能力を上回ったことだ。中国の一部の都市は、排水の基準が低い、構造・配置が不合理、体系が完備されていない、設備の老化といった問題を抱えている」と語った。人民日報海外版が報じた。

 北京市洪水干ばつ対策指揮部弁公室の王毅チーフエンジニアによると、5年に1度の大雨にも耐えられる排水基準が適用されているのは、北京市内では天安門広場とオリンピック公園付近の排水管のみであり、その他の雨水管のほとんどは1年―3年に1度の大雨(1時間36ミリ―45ミリ)に耐えられる排水基準で建設されているという。

 中国水科院水資源所の王浩所長によると、北京の路面の80%以上はコンクリートやアスファルトに覆われている。

 向立雲副所長は「冠水を予防するには、貯水施設の建設を強化し、貯水と排水を結合させる予防システムを建設することが重要だ」としたほか、「雨水を分散させれば、配水管の圧力軽減に役立ち、冠水予防の有効な手段となる。また、コンクリートやアスファルトの代わりに水透過性の材料を使えば地面浸透率を高められる。都市の緑地をくぼ地にすれば、雨水を大量に貯水できる」と指摘した。

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