2012年07月23日-07月27日
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「天才少年」がクラウドコンピュータを開発

2012年07月24日

 クラウドテレビ、クラウドエアコン、クラウド携帯--。あちこちで耳にする「クラウド」という言葉に、困惑している消費者も多い。しかし「クラウドコンピュータ」は分かりやすい。モニターと小さなセットトップボックスさえあれば、普通のパソコンと同じインターフェースで使え、ネットにもアクセスできるのだ。

 まもなく23歳になる「天才少年」、談天霆氏は20日、自ら開発した「クラウドコンピュータ」を発表するため、北京にやってきた。北京市民は来年にも同製品を体験できるかもしれない。北京晨報が報じた。

 ▽仮想デスクトップよりも使いやすい

 クラウドコンピュータは2009年に流行した仮想デスクトップの概念と良く似ているという人がいる。談氏によると、クラウドコンピュータは仮想デスクトップと比べ、以下のメリットを持つという。

 (1)使用方法が簡単。仮想デスクトップは複雑で、プロトコルやアクセス端末を選択する必要があり、また互換性を考慮しなければならないなどの問題が存在する。

 (2)保守管理が簡単。管理者権限をユーザーに渡すこともできるため、中小企業は専門の保守管理者を雇う必要が無い。

 (3)コストが安い。コストは仮想デスクトップの約半額に抑えられる。

 談氏がこの「発明」を思い立ったのも、まさに仮想デスクトップを使用していた際の悩みがきっかけだという。2009年、同氏は仮想デスクトップを使用していたが、高額のハードディスクを買った後、さらにサーバ・ライセンス料を支払わなければならず、しかも問題が発生した場合、業者に頼まなければならないなど、隠れた問題とコストが大きかった。これをきっかけに談氏はもっと簡単で安い方法を研究し始め、3年をかけてクラウドコンピュータを開発した。

 ▽14歳で創業した「天才少年」

 メディアの関心は「クラウドコンピュータ」そのものだけでなく、談氏本人にも向けられている。さわやかなイケメンの談氏は、14歳でネットカフェを開き、創業したという経歴の持ち主で、「コンピュータの天才」とも呼ばれている。

 談氏はかつてネットゲームにはまり、中学2年生で退学し創業、5人の大学生を雇ってネットゲームの開発を始めた。2006年には中国初のVPS(仮想専用サーバ)サプライヤー「3TVPS」を創立、この際仮想化技術に関わった。

 クラウドコンピューティング概念が広まり始めた2008年、今度はクラウドコンピュータの開発に取り組み始め、天霆雲計算公司を設立。同公司はすでに従業員100人規模に達している。

 談氏はそうそうたる経歴を振り返りながらも、飄々とした表情で「コンピュータやクラウドコンピューティングは得意なんです」と語った。

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