2012年08月06日-08月10日
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中国の北極観測隊、大型海洋観測ブイを初設置

2012年08月06日

 中国第5次北極観測隊は4日、北緯70度・東経3度のノルウェー海上に中国初の極地大型海洋観測ブイを設置した。中国が独自開発したブイと観測技術を北極海で使用するのは今回が初めて。大型ブイは、海洋と大気の相互作用の継続的観測に利用される。新華社が報じた。

 第5次北極観測隊の首席科学者・馬徳毅氏は「今回重要海域に大型ブイを設置したことで、中国の科学者は海洋・大気の相互作用に関する観測データをリアルタイムに取得できるようになり、北欧の海が世界の海洋循環・気候システムに及ぼす作用を知り、気候予測に応用できるようになった。これは、中国の海洋観測能力および、海洋・気候予測レベルの向上にとって重要な意義を持つ」とした。このほか、ブイによって取得されたデータはノルウェーの研究機関とも共有し、関連分野の問題解決促進に役立てられるという。

 世界には現在、600あまりのブイが設置され、長期観測を行っている。中でも有名なのは、米国が太平洋赤道域に設置したブイと日本がインド洋赤道域に設置したブイ。これらのブイはエルニーニョ現象の観測・予報において重要な役割を果たしている。

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