「ネイチャー・フォトニクス」誌9月号に、中国人科学者による「ホイーラーの遅延選択実験(delayed choice experiment)」の成功に関する文章が掲載された。中国新聞社が報じた。
中国科学技術大学・郭光燦院士率いる中国科学院量子情報重点実験室が4日に明らかにしたところによると、同実験室の李伝鋒研究チームはこのほど、「ホイーラーの遅延選択実験」を初めて実現し、光が「粒子と波動の二重性」を持つ状態を作り出すことに成功した。これにより、相補性原理(ボーア)への認識がより深まった。
同実験は「光とは何か」という古代から続く疑問に挑戦する実験とも言える。英国の著名量子物理学者は「この実験では相補性原理の限界に挑戦し、1つの実験装置の中で光子が波動と粒子という2つの性質を持つことを示した」との見方を示す。
「ネイチャー・フォトニクス」誌もリサーチハイライトコーナーに同成果を掲載し、「『粒子と波動の二重性』の概念を新たに定義しなおした」と称えた。