2012年09月10日-09月14日
トップ  > 科学技術ニュース>  2012年09月10日-09月14日 >  英大学教授の研究により、鍼灸の効果が証明

英大学教授の研究により、鍼灸の効果が証明

2012年09月14日

 鍼灸は中国の伝統医学であるが、その効果が西洋の近代科学によっても証明されるかどうかはこれまでずっと注目を集めてきた。英サザンプトン大学教授らは研究の結果、鍼灸の痛み緩和効果は確かに存在するとの見方を示した。新華網が報じた。

 英サザンプトン大学のGeorge Lewith教授らによる国際研究チームは「アーカイブス・オブ・インターナル・メディシン」誌に報告を発表し「本研究では、鍼灸に関するこれまでのランダム化比較試験29回、被験者約2万人の資料を調査した。『本物の鍼灸』と『偽物の鍼灸』を同時に行い、その効果を比較した結果、本物の鍼灸は確かに背中、首、肩、頭の痛みを和らげ、関節炎の痛みを緩和する効果があることが分かった」とした。

 ここで言う「偽物の鍼灸」とは、鍼灸を行う際、非常に浅い部分もしくは間違った位置に針を刺すというもので、心理的要因による影響であるプラセボ効果を取り除くため、医学研究で良く使われる比較方法。治療方法によっては、心理的な暗示作用のみで治療効果が出る場合もあるためだ。これまでも、多くの中医学の治療効果がプラセボ効果が排除できないために議論の的となっていた。

 Lewith教授は「同研究により、鍼灸が確かに痛みを緩和する効果を持つことがわかった。現在、鍼灸はまだ幅広く普及している治療法ではないが、西洋医学界も徐々にその治療効果を認めるようになるだろう」と語る。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます