中国国務院新聞弁公室は24日、「中国のエネルギー政策(2012)」白書を発表し、中国のエネルギー発展の現状、直面している課題、近代エネルギー産業体系の構築に向けた努力、エネルギー国際協力の強化に向けた全体計画などを全面的に紹介した。同白書(中国語版)は人民出版社から出版され、24日より全国の新華書店で発売される。新華網が伝えた。
同白書は全文約1万4千字で、▽前言▽エネルギー発展の現状▽エネルギー発展政策と目標▽省エネの全面的な推進▽新エネルギーと再生可能エネルギーの発展▽化石エネルギーのクリーンな発展推進▽エネルギーユニバーサルサービス水準の向上▽エネルギー科学技術の進歩加速▽エネルギー体制改革の深化▽エネルギー国際協力の強化▽結語??の各章からなる。
白書は以下のように指摘した。
改革開放以降、中国のエネルギー工業は急速に成長し、石炭・電力・石油天然ガス・再生可能エネルギー・新エネルギーの全面的な発展を実現、国民経済の長期的・安定的かつ比較的速い発展と国民生活レベルの持続的な向上に向け、重要な貢献を果たした。2011年、中国の一次エネルギーの生産量は31.8億標準石炭に達し、世界一となった。
中国は世界最大の発展途上国であり、経済発展・国民生活改善・小康社会(やや豊かな社会)の全面的な構築といった厳しい任務に直面している。長期的・安定的で持続可能なエネルギー資源の利用を維持することは、中国政府にとって重要な戦略的任務の1つだ。中国のエネルギー政策は「節約優先、国内に立脚、多元的発展、環境保護、科学技術イノベーション、改革の深化、国際協力、国民生活の改善」という発展方針を基本とし、エネルギー生産・利用モデルの変革を推進し、安全・安定的・経済的・クリーンな近代エネルギー産業体系を構築し、持続可能なエネルギー発展で経済社会の発展を支えていく。
「中華人民共和国国民経済と社会発展の第12次五カ年計画綱要」では、2015年までに非化石エネルギーが中国の一次エネルギー消費に占める割合を11.4%に引き上げ、単位GDPあたりのエネルギー消費を2010年比で16%引き下げ、単位GDPあたりの二酸化炭素(CO2)排出量を2010年比で17%引き下げることが提起された。
中国政府は、2020年までに非化石エネルギーが中国の一次エネルギー消費に占める割合を15%前後とし、単位GDPあたりの二酸化炭素(CO2)排出量を2005年比で40-45%引き下げることを承諾している。責任ある大国として、中国はこの目標を実現すべくたゆまぬ努力を続けていく。
新エネルギーと再生可能エネルギーの発展に力を入れることは、エネルギーの多元的でクリーンな発展推進、戦略性新興産業の育成にとって重要な戦略的措置であるだけでなく、生態環境の保護、気候変動への対応、持続可能な発展にとっても必要だ。中国は新エネルギーと再生可能エネルギーの発展に力を入れ、第12次五カ年計画期末までに非化石エネルギーが中国の一次エネルギー消費に占める割合を11.4%に引き上げ、非化石エネルギー発電の設備容量の割合を30%に引き上げる。
改革は発展モデルの転換を加速する大きな原動力となる。中国はエネルギー分野の改革を確固として推進し、上層部による計画と全体計画を強め、エネルギーの合理的発展に役立つ体制・メカニズムの構築を急ぎ、エネルギー発展環境を改善し、エネルギー生産・利用モデルの変革を押し進め、国家エネルギー安全を保障する。
エネルギー安全は世界的な問題であり、ほとんどの国は国際協力なくしてエネルギー安全を保障できない。中国は過去・現在・未来において、世界のエネルギー安全保障の脅威とはならない。中国は平等互恵、ウィンウィンという原則の下、エネルギー生産国、消費国、国際エネルギー機構との協力を一層強化し、世界のエネルギーの持続可能な発展を共に押し進め、世界のエネルギー市場および価格の安定を維持し、エネルギールートの安全性を確保し、世界的なエネルギー安全と気候変動の対応でしかるべき貢献をしていく。