2012年11月01日-11月02日
トップ  > 科学技術ニュース>  2012年11月01日-11月02日 >  中国 第5世代戦闘機「殲31」の試験飛行成功

中国 第5世代戦闘機「殲31」の試験飛行成功

2012年11月02日

 中国の2機種目となるステルス戦闘機「殲31」の試験飛行が成功したというニュースが、各国メディアにより報じられた。同戦闘機は今年6月に発表されて以来、高い注目を集めており、今回の初飛行成功により、中国航空工業の進歩は世界からも高く評価されている。10月31日、同戦闘機を開発した中航工業集団の関係者に取材したところ、「現時点で発表できる情報はない」とのことだった。環球時報が伝えた。

 台湾「中央社」は、「ステルス戦闘機『殲31』は31日10時ごろ、初の滑空飛行および試験飛行に成功した。戦闘機『殲11BS』が『殲31』と共に平行飛行を行った。これにより、中国は米国に続き、第5世代戦闘機を2機種同時に開発し、保有する国となった」と報じた。

 近代戦闘機の技術水準向上に伴い、戦闘機の開発コストと要求される技術も高まっている。欧州は複数の国が協力してやっと第4.5世代戦闘機「タイフーン」を開発し、ロシアはインドの力を借りて第5世代戦闘機「T-50」を開発した。中国が5世代戦闘機を2機種同時に開発する能力と資金を有するかどうかはネット上でも関心を集める話題だった。

 雑誌「航空知識」の王亜男副編集長は、「中国は5世代戦闘機を2機種同時に開発している。このことは、中国航空工業の開発能力と重大プロジェクトの組織・協調能力を証明すると共に、中国軍の航空戦闘装備の主な方向性を表している。但し、中国は5世代戦闘機の開発に米国ほどの資金を投じてはいない。中国が求めるのは適度なステルス性能と戦闘性能であり、先進性だけを追い求めるのではなく、成熟した技術を多用しているためだ。『殲20』と『殲31』で採用された多くの技術は互換性があるため、中国が同時に2機種の第5世代戦闘機を開発し、配備したとしても、不可能なことではない」と指摘する。

 米国の航空業界誌「AVIATION WEEK」は、「殲31」が将来空母に搭載されるのではと予測している。中国雑誌「兵器知識」の熊偉副編集長はこれについて、「中国の空母が就役した後、確かに先進的な艦載機が必要だ。現在候補に挙がっている数機種の中では、『殲31』のサイズや翼の設計が艦載機のニーズにより合致している。特にツインエンジン設計により信頼性が高まり、海上で飛行する際、より安全になった」と指摘する。

 王氏も「『殲31』は艦載機に発展する素質がある。少なくともその技術は艦載機に近づいていく可能性がある」と指摘する。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます