2012年11月12日-11月16日
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世界スパコンランキング 米タイタンが首位に

2012年11月13日

 米エネルギー省は12日、同日発表されたスーパーコンピュータの世界ランキング「TOP500」で、同省のオークリッジ国立研究所が持つ「タイタン」が、1秒間に1京7590兆回の演算速度で1位に輝いたと発表した。新華網が伝えた。

 「タイタン」の敷地面積は一般的なバスケットコートに、消費電力は小さな町の電力消費量に相当する。「タイタン」には56万個以上のプロセッサが搭載され、理論上の演算性能は1秒間に2京7000兆回に達する。将来的には気候変動、再生エネルギー、核エネルギー研究のシミュレーションに利用される。

 米エネルギー省のスティーブン・チュー(朱棣文)長官は同日の声明の中で、「高い性能のスパコンを持つ国家は、国防・科学・医学・エネルギー等の分野で強みを持つことができる」と指摘した。「タイタン」は米エネルギー省のその他のスパコンと共に、米国のイノベーションの優勢を確保するためのツールとなる。

 同日発表された同ランキングのうち、米ローレンス・リバモア国立研究所の「セコイア」、理化学研究所の「京」、米アルゴンヌ国立研究所の「ミラ」、独ユーリッヒ研究所の「Juqueen」が2-5位を占めた。今年6月に発表されたランキングでは、「セコイア」が首位となっていた。

 中国製スパコン「天河-1A」は2010年にトップになったが、今回のランキングでは8位に後退した。しかし中国の72のスパコンが500位に入選し、今年6月の68から微増した。国別に見ると、米国が同ランキングの約半数を占め、高い能力を誇示した。中国は2位となった。

 スパコンは国家科学研究の基礎的なツールで、地質・気象・石油調査等の分野の研究で、重要な役割を果たす。スパコンはまた、自動車・航空・化学工業・製薬等の業界において、重要な科学研究ツールとされている。「TOP500」は、世界で最も権威あるスパコンランキングだ。世界で設置されたスパコンの権威あるランキングとして、「TOP500」は1993年よりコンピュータの演算速度を基準とし、世界最速の演算能力を持つ500のスパコンランキングを毎年2回発表している。

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