2012年11月19日-11月23日
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海南省、「海洋強省」目指し建設加速へ

2012年11月21日

 海南省は「海洋強省」の建設を加速する決定を打ち出し、未来に向けた海洋開発・利用戦略を展開していく見通しだ。中国新聞網が伝えた。

 19日に行われた海南省政府第84回常務会議で、「中共海南省委員会、海南省人民政府の海洋強省建設加速に関する決定(送審稿)」の討論が行われた。同決定では、海南省がインフラ建設、産業構造の構築、海洋生態保護、海洋管理コントロール能力の向上、海洋文化建設などの多方面から海洋強省の建設を加速していくことが指摘された。

 同決定の起草に携わった海南省海洋・漁業庁の趙中社庁長は、「海南省は三沙市の建設をきっかけに海洋インフラ、法執行力、資源開発、生態保護および管理コントロール能力の建設を強化し、海洋経済の規模拡大に努めていく。2020年までに海洋生産額が省のGDPに占める割合を35%以上とする」と語った。

 同決定は、海南省海洋経済の発展方向として、次のように指摘した。

 近代漁業の発展に力を入れ、臨港工業を強化する。南中国海の石油・天然ガス産業および関連産業の発展を支援し、海洋観光業の発展を加速し、海洋交通運輸業を積極的に発展させ、新興産業を育成する。

 海南省は海洋をめぐる法規・計画を完備し、海洋建設への資金投入を増やし、専門的な海洋業務指導グループを結成する。また、漁業、港、観光、石油天然ガス資源、海洋管理コントロールおよび三沙市のインフラ建設を推進していく。

 同決定はまた、海洋開発と同時に環境・資源の保護も重視するよう要求。海洋環境モニタリング体系を代表とする、海洋公共サービス能力を構築し、サンゴ礁、海草、マングローブなどの生態システムの保護・修復を強めるほか、海域・島・海岸の管理と修復を強化するとした。

 海南省はこのほか、海洋科学技術イノベーションプラットフォームを構築し、海洋科学技術人材を招致・育成し、島使用の管理モデルで革新を果たし、法執行チームの構築と公共安全管理を強化し、科学技術向上と海洋の総合管理コントロール能力向上を目指す。

 海洋文化の建設面では市民の海洋保護意識を高め、祝祭日イベントや海中文化財の保護などを通じて南中国海の海洋文化資源の開発・保護を強めていく。

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