2012年12月10日-12月14日
トップ  > 科学技術ニュース>  2012年12月10日-12月14日 >  中国製のリアルタイム測位システム 誤差僅か0.89m

中国製のリアルタイム測位システム 誤差僅か0.89m

2012年12月10日

 重慶恩菲斯公司が請け負う、重慶市科学技術難関突破計画重点電子情報特別プロジェクト「チャープスペクトラム拡散技術に基づくリアルタイム位置測定システムの研究」が12月5日、重慶市科学技術委員会の専門家チームの検査に合格した。同社の張長伍・研究開発部副総経理は、「このシステムを使えば認知症の高齢者等、特殊な患者が失踪した場合、患者の正確な位置を特定できる。鉱山で事故が発生した場合も、地下の作業員の位置を正確に特定し、救助活動を展開できる。また位置測定の誤差はわずか0.89メートルで、世界トップ水準に達した」と説明した。科技日報が伝えた。

 リアルタイム位置測定システムは、衛星、信号の到来時間差・到来時間等を通じて一測定を行っている。現在の業務用リアルタイム位置測定システムの誤差は1メートルが基準となっており、誤差を1メートル以内に縮めることは技術的にもコスト的にも非常に困難だ。新技術の発展に伴い、多くのワイヤレス通信技術がシステム開発に利用されている。位置測定の精度の向上、設備の簡略化とコストダウンは、業務用リアルタイム位置測定システムの発展の方向性とされている。

 チャープスペクトラム拡張技術は、ブロードバンドとチャープ信号を一体化しており、電波妨害とマルチパスフェージングに強い。またエネルギー消費量が少なく、距離測定の計算が簡略化され、距離測定の精度が向上した。リアルタイム位置測定システムに応用することで、TOA(到来時間)方式により、人とモノの位置測定を実現することができる。ISOは同技術を、リアルタイム位置測定システムの関連技術基準とした。海外の多くの企業は、幅広い応用の可能性を持つ同技術のリアルタイム位置測定への応用を積極的に推進している。中国企業はリアルタイム位置測定システムの知的財産権を持たず、高額な外国企業の商品や遅れた技術を用いているため、知的財産権を持つ同類商品を開発していない。

 第三者検査機関の機械工業工程控制システム商品品質検査測定センターの検査結果によると、同システムの位置測定の誤差は0.89メートルまで縮小され、多くの市場で販売されている同類の輸入製品の精度を上回った。またコスト・価格も大幅削減され、海外同類商品の独占的な地位を打破し、国内のリアルタイム位置測定システムの技術的な空白を埋めた。同システムは安全生産、資産保護、倉庫管理・物流、人材管理等に応用され、広大な市場を有する。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます