2013年02月18日-02月22日
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小惑星に含まれる豊富な資源 各国が競って探査実施

2013年02月21日

 隕石の落下によりロシアで1200人が負傷し、建築物3000棟が被害を受けた。地球に接近、さらには衝突して大きな惨劇をもたらす恐れのある「宇宙空間にある岩」に、人々は恐怖を抱いている。しかし、幸福と災禍は表裏一体で、この「招かれざる客」には往々にして豊富な資源が眠っており、多くの人が「採鉱場」としての小惑星に注目しているのだ。人民日報が伝えた。

 小惑星の数は膨大で、化学物質と鉱物の構成も千差万別。様々な資源を採掘することが可能だ。小惑星は石質、炭質、金属質などのタイプに分類されるが、中でも採掘の価値があるのは間違いなく金属質タイプだ。金属質の小惑星は主に鉄やニッケルからなり、プラチナ、ロジウム、イリジウム、オスミウム等の希少金属を含む、様々な金属元素が含まれている。

 現在のところ、人類による小惑星の探査は不定期な無人探査段階に留まっている。

 2010年、日本の小惑星探査機「はやぶさ」は小惑星イトカワに到達し、表面からサンプルを採種し、地球に帰還した。米NASAの小惑星探査機「ドーン (Dawn)」は小惑星ベスタの探査を終え、準惑星ケレスに向かっており、2015年に到達する予定だ。

 世界と比べると中国の小惑星探査はまだスタートしたばかりだ。2012年12月3日、月探査衛星「嫦娥2号」は小惑星「トータティス」に約3キロの地点まで接近し、撮影に成功した。これは中国にとって小惑星探査の第一歩となる。

 人類は今、さらに大胆な計画を進めている。米国のPlanetary Resources社とDeep Space Industries社はこのほど、小惑星から資源を採掘する計画をスタートさせた。Planetary Resources社はすでに小惑星観測用の望遠鏡製造を開始しており、今後は探査機を小惑星に送り探査を行う予定だ。Deep Space Industries社も2年以内に小型探査機「Firefly」を打ち上げる計画だという。

 NASAも2005年、2018年に有人月探査を再開する計画を公表した。月面のヘリウム3の採掘、火星探査に向けた研究などを掲げている。

 どの機関が先陣を切るにせよ、宇宙での本格的に資源採掘が実現すれば、生活の各方面に大きな影響がもたらされることは確実だ。

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