2013年02月25日-02月28日
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中国4G基準 世界で試験運用が広まる

2013年02月25日

 世界の通信キャリア29社は、中国企業が中心となって開発した4G基準「TD-LTE-Advanced」試験ネットワークを、現在までに計64設置している。うち13社が14の商用化されたネットワークを開通させた。TD-LTEは世界でより大規模な商用化を実現することになる。中国新聞社が伝えた。

 中国科学技術部(科学技術省)は22日午後に北京で行われた「一般国民生活に浸透する科学技術」をテーマとする記者会見において、「これ(TD-LTE-Advanced)は中国の世界モバイル通信技術および産業に対する重大な貢献であり、3GのTD-SCDMAに続く中国が中心となって開発した世界基準である。中国は同技術により、世界モバイル通信技術および産業発展において重要な発言権を獲得した」との見方を示した。

 中国科学技術部ハイテク技術発展及び産業化司の趙玉海司長は、「国家科学技術発展計画、科学技術計画、科学技術重大特別プロジェクトなどの支援を受け、中国モバイル通信技術・産業は過去20年間で世界が注目する成果を獲得した」と語った。趙司長の発言は、誇張されたものではない。2000年にTD-SCDMAが世界3大3G基準の一つとなると、2012年にはTD-LTEが世界2大4G基準の一つとなった。中国はモバイル通信技術の追随者からけん引者へと、飛躍的な発展を実現した。華為(ファーウェイ)や中興(ZTC)などを始めとする中国企業は、モバイル設備・システムの産業チェーンを形成しており、その商品は世界市場でトップシェアを誇る。

 TD-LTEは2010年、上海万博でデモンストレーションを実施した。中国移動(チャイナ・モバイル)は現在、北京・上海・杭州・南京・広州・深セン・アモイなどの13都市でTD-LTEの大規模なテストを実施しており、4G基地局が2万カ所を突破した。大規模な試験ネットワークによるテストにより、TD-LTEは比較的整った産業チェーンを形成した。

 趙司長は、「中国科学技術部はその他の部門と密接に連携し、TD-LTEおよび4G後のモバイル通信先進技術の研究開発・産業化を共同推進している。モバイルネットワーク、モノのインターネット、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、スマート都市、スマートハウスの発展と結びつけ、ブロードバンドモバイル通信の革新的な応用を推進している。次世代モバイル通信の発展において中国が有利な位置を占め、ワイヤレスモバイル通信技術・基準・産業・サービス・応用の先進国の一つになるよう努めている」と語った。

 2012年末の中国3G基準の利用者数は8792万8000人に達し、中国3G利用者総数の3分の1以上に達した。中国3G基準はまた、本国企業を中心とする整った産業チェーンを初めて形成した。そのネット接続成功率は99.65%に達し、質の高い通信網が構築された。

 統計データによると、TD-SCDMAの産業化により2、2011年末までに約1兆元の資金が投入され、直接的・間接的にGDPを計5000億元(約7兆5000億円)引き上げ、約43万人の雇用を創出した。TD-SCDMAは2013年に、市場けん引のみに依存する爆発的な発展段階に入り、利用者数が2億人を、端末の販売台数が1億5000万台を超える見通しだ。

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