2013年04月22日-04月26日
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中国、日本の防災経験・危機意識に学ぶべき

2013年04月25日

 四川省雅安市の地震発生当時、成都市・重慶市などの各地の市民がビルから飛び降り、怪我をするという事態が起きた。実際には、地震発生時にすべてを顧みず外に飛び出すのは危険な行為である。地震多発国の日本は、国民の危機意識を高め、防災教育を強化しており、中国もその経験を参考にできる。科技日報が伝えた。

 気象庁の統計データによると、2001-2010年の間、日本ではマグニチュード3以上の地震が毎年約4800回発生しており、そのうちマグニチュード5以上の地震は約160回に達した。

 しかし日本で近年発生したマグニチュード6以上の地震では、死者・負傷者がほとんど出ていない。日本政府と国民は地震に対する危機意識を常に持っており、また国民の豊かな防災知識が重要な役割を発揮していると言える。

 日本には内閣総理大臣を会長とする中央防災会議があり、全国的な自然災害への対応を担当している。1990年代より、日本は国家危機管理をさらに強化し、中央政府から地方に到るまでの危機管理体制を構築し、全国の危機対応能力を大幅に引き上げた。危機管理体制の中で、日本政府は異なる危機の類別に基づき、異なる危機管理部門を業務に当たらせる。各政府部門は、危機管理を担当する所・室を設置している。関連部門はさまざまな地震防災パンフレットを印刷し、市民に常日頃からラジオ、飲用水、食料、薬品などの緊急物資を準備し、頻繁にこれを点検し、さらに家具の固定などを行うよう指導している。

 日本の地震教育は子供の頃から始まる。小学校では地震避難訓練を定期的に実施し、地震発生時に混乱せず、頭部を守り落ち着いて秩序正しく避難するよう教育している。社会でも防災や災害救助に関する展示会やシンポジウムが催されている。各地には専門的な地震防災センターがあり、市民(特に小中学生)に地震に関する知識を伝え、さらに専門家が正確な応急手当・自己防衛の手段を指導している。

 日本政府は1960年に、毎年9月1日を防災の日とした。各地では防災の日の前後に、さまざまな防災訓練を実施し、救助部門の緊急反応能力を強化し、市民の防災・減災意識を高めている。

 日本の主婦は長期的に家事に従事しており、室内防災の豊富な経験を積んでいる。地震が台所のガス漏れや火災を引き起こす可能性があるため、地震を感知した場合はすぐにガスの元栓を閉め、避難のためにドアや窓を開く。日本の家庭にはいくつかの防災バッグがあり、食料、飲用水、薬品、懐中電灯、タオル、マスク、ロープ、ホイッスルなどの緊急物資が入っている。主婦はこれらの緊急物資を定期的にチェック・交換することで、使用期限切れや効力を失うことを防いでいる。

 オフィス、商店、道路などの場面でも、日本人は多くの避難・救助の方法を検討している。例えば地震発生時には、商品棚や何か落ちてきそうな場所には近づかないようにしており、一部の公共の場所には詳細な避難ルートなどが図入りで紹介されている。

 防災・減災は国家と政府部門だけのことではなく、国民全体が防災・避難の手段を身につけ、防災意識を日常生活と仕事の中に浸透させ、地震発生時に落ち着いて対応し、地震による人命・財産の損失を最小限に抑える必要がある。

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