2013年06月10日-06月14日
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天宮1号 快適な宇宙の家

2013年06月14日

 ドッキング目標機「天宮1号」はかつて宇宙船「神舟8号」、「神舟9号」とドッキングし、昨年は初めて3人の宇宙飛行士の「家」になった。今回は再び、宇宙飛行士に家のぬくもりをもたらすことになる。北京晨報が伝えた。

 ◆自転車でフィットネスも可能

 天宮1号は実験モジュールと資源モジュールに分かれている。実験モジュールは宇宙飛行士が作業・生活する部屋で、四方の壁がすべてキャビネットになっている。また操作台、ダッシュボード、照明などがあり、宇宙飛行士が休むための小部屋もある。また中間には長さ4メートル、幅1.8メートル、高さ2.2メートルの通路があり、宇宙飛行士はここで運動・作業・生活が可能だ。

 実験モジュール内には多くの電子設備があるため、設計士はこれを「隠す」デザインを採用した。宇宙飛行士が使用しないものを中に埋め込むことで、よく整理された環境を提供し、また設備との接触を避けることもできる。神舟9号の任務遂行中、女性飛行士の劉洋氏が天宮1号内で初めて宇宙自転車を使い運動をした光景が、人々に深い印象を与えた。宇宙自転車は今回も役立てられる。

 ◆寝室、防音カーテンで睡眠を確保

 宇宙飛行士の健康で快適な睡眠環境を整えるため、天宮1号には2つの寝室がある。寝室内には独立した照明があり、照明の強さを自分で調整できる。寝室には長方形の寝袋があり、壁には袋が掛けられており、細々としたものを入れられる。中央の黒色の折りたたみ可能なテーブルには、本やパソコンを置ける。またこの寝台列車のような寝室では、分厚い緑のカーテンを引くことで、大部分の騒音をカットできる。

 天宮1号の復水回収装置は一定時間おきに自動的に、呼吸や発汗などにより排出された水蒸気を集める。他にも特殊な「宇宙エアコン」、気体流量調節装置、宇宙服温度調節装置などがある。

 ◆男子トイレと女子トイレ

 天宮1号のトイレは男子・女子と分かれており、独立したスペースが確保されている。シャワーやバスタブがなく入浴は不可能だが、消毒済みのタオルで体を拭くか、洗い落とす必要のないシャンプーが配合されたタオルで頭を洗うことができる。2つの独立した寝室が用意されているため、女性宇宙飛行士のプライバシーは保護される。

 天宮1号にはさらに、宇宙飛行士の娯楽用のノートパソコンがある。宇宙飛行士はこれを使いネットサーフィン、ミニブログ更新、映画の鑑賞、好みの歌や音楽の視聴、その他の娯楽活動を楽しむことができる。

 中国は2015年までに天宮2号・3号を打ち上げる計画だ。

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