2013年06月17日-06月21日
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世界スパコンランキング 中米日が三つ巴に

2013年06月18日

 中国製スパコンの計算速度が2年半ぶりに世界一に返り咲いた。スーパーコンピューターの性能を比べる専門家のプロジェクト「TOP500」は17日、最新の世界スパコンランキングTOP500を発表した。中国人民解放軍国防科学技術大学が開発した「天河2号」が、33.86PFlopsの計算速度で、世界最速のスパコンになった。

 米エネルギー省の研究機関であるオークリッジ国立研究所が開発した「タイタン」は、17.59PFlopsの計算速度で、前回の首位から2位に順位を落とした。専門家は、「天河2号の計算速度は2位の2倍弱に達するため、中国は首位を1年以上キープする可能性がある。今後は、中米日の3カ国のコンピュータが、世界最速のスパコンの座を交代で占めるようになるだろう」と分析した。

 同日発表されたランキングでは、米ローレンス・リバモア国立研究所の「セコイア」、理化学研究所の「京」、米アルゴンヌ国立研究所の「ミラ」が、3-5位を占めた。中国の「天河1号」は2010年に首位になったが、今回は10位にランクダウンした。

 米国は現在、世界TOP500のスパコンの過半数を占めており、圧倒的な優位を示している。中国大陸からは65のスパコンが入選しており、昨年11月の72からやや減少したが、依然として2位をキープしている。以下、日本は30で3位、英国は29で4位、フランスは23で5位、ドイツは19で6位となった。

 専門家は、今後新たなスパコン競争が行われると予想する。天河1号は2010年11月に首位になったが、半年後に日本の京にその座を明け渡した。その後米国のセコイアとタイタンが首位を争奪し合った。中国科学院計算機ネットワーク情報センタースパコンセンターの遅学斌主任は、「天河2号の首位は一時的なもので、他国も投資を拡大し、すぐにより高速なシステムが登場するだろう」と予想した。イリノイ工科大学コンピュータ学部主任の孫賢和教授は、「日本の科学者は高性能計算会議で、天河2号を上回るコンピュータを作ると表明した」と述べた。

 「TOP500」は1993年より毎年2回に渡り、この世界で最も権威あるスパコンランキングを発表している。同ランキングはLinpackと呼ばれる実測速度を基準とし、全世界のスパコンの格付けを行っている。

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