一人の宇宙飛行士による一日の宇宙滞在から複数の宇宙飛行士の十数日間の宇宙滞在へ、宇宙遊泳から宇宙ドッキングへ、自動制御から手動制御へ、試験飛行から応用飛行へ----。中国航天科技集団五院502研究所の関係者は6月28日、「当研究所が14年間に渡り開発を続けてきた宇宙船GNCシステム（誘導制御システム）は、イノベーションの中で成熟化し、宇宙ステーション建設に向け準備を整えた」と述べた。科技日報が伝えた。
GNCは有人宇宙飛行プロジェクトにおいて最も重要・困難・複雑なシステムの一つで、宇宙船の打ち上げから帰還までのすべての飛行制御の任務を担う。これには打ち上げ当初の緊急避難制御技術、軌道上を飛行中の手動制御技術、2基の宇宙機の自動・手動ドッキング制御技術、迂回技術、帰還中の着陸地点制御技術などが含まれ、その信頼性は任務の成功と宇宙飛行士の安全に直接関わってくる。
上述した関係者は、「1999年に神船1号を打ち上げてから、当研究所の一連の技術イノベーションとイノベーションの集約により、宇宙船がいつでも地球を見つけられ、打ち上げ時に問題が発生した際に宇宙飛行士が安全に避難できるようになった。宇宙船が地球に帰還する際にタイミングよく『ブレーキ』をかけ、基本姿勢を維持し、自動制御システムが効力を失った場合も手動制御システムで安全に帰還できるようになった。宇宙船の帰還中、宇宙飛行士の快適度が高まった」と説明した。
開発の過程において、GNCシステムはさまざまなコア技術の難関突破を完了し、多くの製品の指標が世界水準に達し、一部はこれを上回った（フォールトトレラント制御コンピュータ、赤外線地球センサー、手動制御コントローラー、SGCMG、ドッキングカメラなど）。GNCシステムの発展に伴い、激務に耐えうる優秀なチームが育成され、多くの若き科学者が急成長し、今後の任務に向け堅固な人材保障を確保した。
GNCシステムの開発は今後の任務に向けて、豊富な技術的経験と技術確認の手段を提供した。同研究所は現在、宇宙ステーション向けのGNCシステムプランを設計中だ。