2013年07月22日-07月26日
トップ  > 科学技術ニュース>  2013年07月22日-07月26日 >  自動運転時代が目前に 交通事故ゼロに期待

自動運転時代が目前に 交通事故ゼロに期待

2013年07月24日

 米投資銀行会社Piper Jaffrayのアナリストはこのほど、「自動運転車の生産額は将来的に、年2400億ドルに達するだろう。現在はまだ珍しいが、2020年には自動運転車が常識になる」と予想した。大手会計事務所KPMGの報告書は、自動運転は21世紀の自動車に革命をもたらすとした。人民日報が伝えた。

 自動運転車は、スマート自動車、ロボット自動車とも呼べる。1980年代より、自動車メーカーと研究機関は関連する研究を開始した。世界の多数の有名自動車メーカーは現在、自動運転車のテストを実施しており、中長期目標を設定している。グーグルは2010年に、同社が開発した自動運転車が22万キロのテストを完了したと発表した。ネバダ州、フロリダ州などは2013年、グーグルの自動運転車の運転を許可した。またダイムラーの2013年版「Sクラス」ベンツは、すでに自動運転機能を搭載している(渋滞時の交通状況に応じ、自動で加速し、ブレーキをかけ、歩行者を避ける)。

 自動運転車には、スマート感知とスマートコントロールという、二つのシステムが必要となるが、その関連技術はすでにほぼ成熟化している。スマート感知はカメラ、レーダー、レーザーセンサーによって実現でき、車外の状況を追跡し、自動車の動きをコントロールできる。レーザーセンサーは、前後の車との距離を正確に測定する。GPSはすべての自動車の地球上の位置と結合点時刻を特定でき、誤差は10cmほどだ。デジタル地図は、大量のリアルタイムデータをCGに変える。

 伝統的な人による運転と比べ、自動運転は次の特長を持つ。

 まずは安全だ。交通事故は人類の5番目の死亡原因とされているが、自動運転車は交通事故を回避する能力を持ち、交通事故をゼロ化する潜在力を持つ。

 次は資源節約だ。米国人は出退勤のために車を毎日1時間運転するが、自動運転車は人々の生活の質を高めるだけでなく、交通渋滞や停車場所を探す時間を短縮し、環境にやさしくエコロジーだ。

 業界内では、自動運転車の普及の主な障害はコストでも技術でもなく、法律の問題と人々の心理だと指摘されている。もし自動運転で交通事故が発生した場合、誰が責任を負うのか?自動車製造メーカーか、自動運転システムのサプライヤーか、それとも交通秩序を司る政府機関か?また、自動運転車が公道を走ることを受け入れられない人もまだ多いだろう。しかしKPMGの報告書は、「市場は将来的に自動運転を受け入れるだけでなく、これをさらに自動車産業の新たな成長源にするだろう」と指摘した。自動運転時代は、予想されているよりも早く訪れそうだ。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます