2013年08月05日-08月09日
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携帯電話のネット接続料金 中国は米国の4倍、韓国の20数倍

2013年08月05日

 スマートフォンの普及に伴い、携帯電話によるネット接続が必然的となっている。しかしながら残念なことに、ネット利用者が増加を続ける一方で、通信料金も増加を続けている。調査によると、中国大陸部のユーザーの月平均のネット接続料金は米国の4倍、韓国の20数倍、香港の100倍に達するが、通信速度は外国の半分にも達しないという。中国広播網が伝えた。

 北京のOLの朱さんが使用しているのは、中国電信(チャイナ・テレコム)で契約したiPhone5だ。パケット通信量を確保するため、朱さんは毎月の定額プランの他に、500MBのパケット通信量を購入し、200元(約3200円)弱を費やしている。

 朱さんは、「私が使っているiPhone5は比較的新しい機種で、通信料が湯水のように使われているのに、通信速度は遅い」と語った。

 朱さんの感想は例外的なものではない。中国の通信キャリアはさまざまな定額プランを提供しているが、調査によると中国大陸部のユーザーの月平均のネット接続料金は米国の4倍、韓国の20数倍、香港の百倍に達するが、通信速度は外国の半分にも達しないという。

 朱さんは、「学校の友人も海外でiPhone5を使っていたが、中国よりも通信料が割安で、通信速度も速かった。帰国した彼は違和感を覚えているが、やはりこの差は大きいと思う」と述べた。

 中国最大のネット企業、テンセントの馬化騰CEOは、「携帯電話でネット接続する多くのユーザーは、月の初めに一気に使ってしまい、月末に節約することが多い」と指摘した。これは一般人のスマホ使用の心理をありのまま反映している。大学生の張さんは、月末にパケット通信量が間もなく上限に達することを伝えるショートメールの通知を受信すると、ネット接続の機能をオフにするという。

 料金が高すぎるのに加え、一部のスマホはプログラムを自動更新し、通信量を消費する悪意あるソフトをインストールすることもある。ユーザーは携帯電話によるネット接続に、警戒を強めざるを得なくなっている。中国移動(チャイナ・モバイル)のサービス担当者は、「ユーザーは通常の携帯電話によるネット接続の他に、スマホが自動更新したプログラムにも注意すべきだ。ユーザーのパケット通信量が定額プランを上回った場合、1MB当たり1元の基準で料金が引かれる」と注意を促した。

 携帯電話によるネット接続は、遅い速度と高い料金でユーザーを困らせている他に、どのような影響を及ぼしているだろうか。将来的に通信速度が速くなることや、通信料金が安くなることはあるだろうか。

 市場調査会社の賽迪顧問(CCIDコンサルティング)の耿厳・通信産業研究センター副総経理は、「通信キャリアの独占的な経営が、本質的な問題だ。通信キャリアは3G網構築の巨額の投資を回収できておらず、ユーザー数の増加と規模化効果により、全体的な経営コストを引き下げるしかない」と指摘した。しかし7億人以上のユーザーを持つ中国移動は、世界最大の顧客規模を持っているにも関わらず、スマホ保有率は高くない。中国移動の李躍総裁は、「スマホの中国大陸部における保有率は約30%のみで、まだまだ非常に広大な市場が残されている」と述べた。

 また4G許可証の年内交付に伴い、通信キャリアは4G網への資金投入の圧力を迎えることになる。耿氏は、「既存の通信料金を維持し、通信キャリアの投資プランを支援しなければ、携帯電話によるネット接続料金も引き下げがたい。しかし高い料金、低い速度という現状は、中国の情報の建設・消費にとって不利なことは間違いない」と語った。

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