2013年08月26日-08月30日
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中国の若者 世界クラスの無人ヘリを開発

2013年08月26日

 無人・小型・低価格・高利便性などのメリットを持つ無人機は、先進国が追い求める寵児となり、軍用・民用分野で大活躍している。

 開発のスタートが遅れ、海外からの技術封鎖を受けていることから、中国で世界トップ水準の民間用無人機が独自に開発されるケースは稀だ。

 今年5月中旬に開催された第16回中関村科学博覧会で、TD220と名付けられた無人ヘリが登場し、国内外の同業者に衝撃を与えた。TD220は世界初の電気制御同軸無人ヘリで、全長はわずか1.5メートル、機体重量は140キロだ。運搬重量は100キロ、最大飛行速度は時速100キロで、航続時間は5時間、最大高度は4000メートルに達する。TD220は5メートル×5メートルの空間内で自由に離着陸でき、その運搬重量と速度は同レベルの無人機の2倍だ。

 実験結果によると、自動飛行、正確なナビゲーション、コンパクトな構造、シンプルな操作などの独自性を持つTD220は、災害救助、送電線巡回、農薬の散布、森林の防火、上空撮影、海洋モニタリングなどに幅広く応用できる。

 さらにTD220は独自の知的財産権を持ち、輸出はまったく制限されない。TD220は現在すでに7機の受注を受け、1機当たりの販売価格は約1400万元(約2億2400万円)となっている。

 この奇跡を実現したのは、無名の民間子会社の北京中航智科技有限公司だ。同社の創始者は、大卒の学歴しか持たない80後(1980年代生まれ)の2人の若者、田剛印氏と?意氏だ。

 彼らは2007年末、煙草の箱サイズの操縦系統を開発した。専門的な審査を受け、同製品は中国トップ水準に達した。彼らは同製品を約30万元(約480万円)の価格で中国科学院の某研究所に売却し、創業の資金を獲得した。

 二人はこの資金を利用して北京拓雲海智能設備技術有限公司を創設し、その後現在の社名に改名した。その後、彼らの開発した操縦系統は有名になり、国内無人ヘリ市場で多くのシェアを占めた。

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