2013年09月09日-09月13日
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中国製高圧IGBT 専門家の審査に合格

2013年09月13日

 中国が独自開発した高圧・ハイパワーの3300V/50A絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)チップ、および同チップを搭載したハイパワー1200A/3300V IGBTモジュールが12日、専門家の審査に合格した。中国はこれにより、完全に独自のIGBT「中国チップ」を手にした。科技日報が伝えた。

 中国北方機車車輌工業集団公司(中国北車)が開発した3300V/50A IGBTチップは、中国で初めて独自に生産された高圧IGBTチップで、IGBTチップの国産化の道が開かれた。

 IGBTは新型パワー半導体デバイスで、駆動と制御が容易で、スイッチング周波数が高く、ブレークオーバ電圧が低く、定格平均オン電流が強く、エネルギー消費量が少ないという長所を持つ。IGBTは自動制御と逆変換のコア部品で、軌道交通設備、電力システム、工業用インバータ、風力発電、太陽エネルギー、電気自動車、家電産業に幅広く使用されている。軌道交通分野において、けん引ドライブシステムが高速列車や機関車などのコア部材であるとするならば、IGBTは同システムのコア部品であり、最も核心的な部品とされる。

 IGBTによる逆変換により、電力の使用効率を高めることができ、30%以上の省エネ効果を発揮できる。

 中国では開始が遅れ開発が困難であったことから、中国産IGBTチップの開発は主に民間用1200V IGBTに集中されており、工業用・けん引用の高圧ハイパワーIGBTはほぼ輸入に依存していた。中国北車が同チップの自主開発に成功したことで、同分野の空白が埋められた。

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