2013年10月14日-10月18日
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蘭州市が汚水を暖房供給に利用、新たなクリーンエネルギーに

2013年10月24日

 都市の汚水は、蘭州市の冬を暖かくする再生可能なクリーンエネルギーになりうるだろうか?その答えは「イエス」だ。蘭州工業研究院がこのほど完了したプロジェクト「都市部汚水の潜在的能力の高効率・集約化利用の研究と戦略--蘭州市を例として」は、この肯定的な答えを導き出した。同プロジェクトはこのほど、市級科学技術成果審査に合格した。蘭州晩報が伝えた。
 エネルギー資源の価格上昇に伴い、暖房を供給することで得られる収益がコストを下回る現象が深刻化している。暖房供給企業は赤字を計上しており、暖房供給市場をめぐる問題や不満の声が続いている。新興暖房技術の開発利用、暖房供給の多元的な需要は、市場の必然的な発展の流れであり、汚水の潜在的能力を利用した暖房供給も選択肢の一つだ。
 蘭州工業研究院の専門家によるプロジェクトチームは、蘭州市4大汚水処理場の水温・水質・水量などの基礎データを調査した。これらのデータと汚水処理場周辺4キロ内の民間建築物の暖房供給方式、および将来的な建設計画に基づき、同チームは蘭州市の汚水を利用した暖房供給計画を提案し、典型モデル建設工事を設定し、実施プランを制定し、かつ財務評価などの方法により同プロジェクトの効果を予測した。4基の汚水処理場の設計上の処理量の計算によると、汚水の暖房供給面積は646万6000平方メートルに達する。そのうち90%を住宅、10%を公共建築物とすると、一つの設備が使用寿命内に少なくとも約5億5000万元(約88億円)の収益を実現し、天然ガスを約12億9320万立方メートル節約し、気体汚染物・ヒートアイランド現象をゼロ化できる。

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