2013年11月04日-11月08日
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曹操の家族のDNAが判明、出生の謎を解くカギに

2013年11月12日

 復旦大学歴史学・人類学共同研究チームは11日、曹操の家族のDNA研究の最新成果を発表した。専門家は、逆遺伝学と古代DNA分析により、曹操の家族のY染色体がO2-M268型であったと判断した。新京報と新民網が伝えた。
 同チームは復旦大学歴史学部教授、中国魏晋南北朝史学会副会長の韓昇氏、復旦大学現代人類学教育部重点実験室の李輝氏によって率いられる。関連論文は学術誌「人類遺伝学報」に掲載された。
 ◆DNAにより曹操の墓の真偽を検証
 遺伝子専門家は、「河南省安陽市で発見され物議をかもした曹操の墓の真偽は、曹操の子孫のDNAを使い検証できる」と語った。
 中国科学院北京ゲノム研究所副所長の于軍氏は、「人類の歯などの化石はDNAの損傷などの可能性があるが、その中の一部のDNAを分析することができる。河南省安陽市で発見されたものが曹操本人であるかについては、子孫のDNAと比較することで、逆推理で結論を導き出すことが可能だ」と説明した。
 ◆曹操の父親は養子
 同チームは逆推理によって曹操の家族のDNAを導き出し、曹操の一部の出生の謎を解明した。曹操の家族の謎についても、研究の進展と共に、徐々に明らかになってきた。
 同チームは2011年に「曹氏宗族墓」の所在地である安徽省亳州市を訪れ、1970年代にその「元宝坑一号墓」から発掘された文化財の中から、2本の歯を発見した。発掘者の口述と墓の中央の位置に据えられていた銘文などから、2本の歯は曹操の大叔父の河間相・曹鼎のものと判断された。
 曹操の大叔父の歯の古代DNA分析により、この歯に隠された時代の記憶が徐々に明らかにされた。
 現代の逆遺伝学と古代DNA分析により、同チームは曹操の家族のDNAを100%確定した。比較対照の結果、「元宝坑一号墓」の歯と曹操の子孫の間には高い関連性が認められた一方、夏侯氏および曹参(前漢の2代目の相国)の子孫との間には、関連性が認められなかった。ゆえに同チームは曹操の父が養子であり、曹参の家系ではないと判断した。

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