2013年11月04日-11月08日
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調理でPM2.5が増加? 北京市環境保護局が誤解を指摘

2013年11月14日

 調理による油煙が、PM2.5の濃度に影響を及ぼすことはあるだろうか。北京市環境保護局党組織書記・局長の陳添氏らは13日、北京市政府の情報サイト「首都の窓」でネットユーザーと議論した。新京報が伝えた。
 ◆油煙浄化装置の使用を奨励
 メディアはこのほど実験により、「5分間の炒めもので、PM2.5の濃度が20倍に増加する」と伝えた。一部のネットユーザーからは、「大気汚染防止のため食事をするなということか?」と疑問視する声があがった。
 北京市環境保護局監察総隊隊長の仲崇磊氏は、「これには誤解がある。まず環境保護は人を中心とし、人々の健康のため促進されるものだ。ゆえに食事を禁止したり、環境保護のため何でもやるというわけではない」と説明した。
 仲氏は、「市は現在、6-7万軒の料理店の業務改善に取り組んでおり、主に油煙浄化装置の取り付けの有無、同装置の正常稼働を検査している。正常に稼働していなかった場合、もしくは排出物が基準超となった場合、法に基づき処罰することになる」と語った。
 仲氏は、一般市民の家庭内から発生する日常生活の油煙について、「今後は一般家庭に浄化機能を持つ換気扇の取り付けを奨励するべきだ」と述べた。
同総隊副隊長の晏向陽氏は、「一般市民の家庭に油煙浄化装置を普及させるならば、市民に一部のコストを負担してもらう他に、政府も一部の補助金を支給するべきだ」と発言していた。
 ◆北京の大気汚染、光化学スモッグのレベルには至らず
 ネットユーザーからは、「北京の近年の大気汚染は、光化学スモッグのレベルに達しているのではないか」という声があがった。
 北京市大気所所長の于建華氏は、「光化学スモッグには定義がないが、北京の大気汚染形成のメカニズムを見ると、大気中の光化学反応が確かに存在している」と指摘した。
 于氏は、「現在の北京のPM2.5の汚染源は非常に複雑で、成分も多様だが、光化学スモッグのレベルには達していない。例えば今年1月の重度大気汚染の原因は、低気温・高湿度・濃霧発生であり、光化学スモッグのメカニズムとはまったく異なっている」と語った。
 于氏は市場で流通している大気品質を発表する各ソフトについて、「多くのソフトの計算法と公式は正確ではない。市民は環境保護部門のウェブサイトから専門的なソフトをダウンロードするべきだ。その情報は最も権威があり、正確である」と提案した。

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