2013年11月11日-11月15日
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中国が2025年に世界一の肺がん大国に、主因は喫煙

2013年11月19日

 肺がんは現在、悪性腫瘍の最大の死因となっており、その発病率と死亡率が上昇を続けている。11月16日に開かれた第6回中国肺がん南北ハイエンドフォーラムから得た情報によると、過去30年間に渡り中国の肺がん・乳がんの死亡率が急激に上昇し、それぞれ465%・96%上昇した。2025年までに中国の肺がん患者は100万人に達し、世界一の肺がん大国になる見通しだ。京華時報が伝えた。
 ◆肺がんの主因は喫煙
 北京協和医学院腫瘍医院の孫燕氏は、「中国では近年、各種腫瘍の発病と死亡のケースが増加傾向にある。男性の発病率と死亡率が最高となっている悪性腫瘍は肺がんで、女性の場合は乳がんと肺がんだ。環境・生活と関連する肺がん・肝臓がん・直腸がん・結腸がん・乳がんの死亡率の上昇が特に顕著だ。そのうち肺がんと乳がんの上昇幅が最大で、過去30年間でそれぞれ465%・96%上昇した」と指摘した。
 中国がん基金会副理事長兼秘書長の趙平氏は、「肺がんは現在肝臓がんに代わり、中国最大の悪性腫瘍による死因となっており、悪性腫瘍による死亡の22.7%を占め、発病率・死亡率が急速な上昇を続けている。2000-2005年に渡り、中国の肺がんの発病者数は12万人増加したとされている。そのうち男性の肺がん患者は2000年の26万人から2005年の33万人に、女性は12万人から17万人に増加した。喫煙は肺がんの主因で、40%のがんは予防可能だ」と説明した。
 ◆喫煙、13種のがんの原因に
 中国人男性の喫煙者は、主に25-44歳、45-64歳の年齢層に集中している。世界のある研究結果によると、10年間禁煙することで、肺がんの危険性は喫煙を続けた人の半分になる。中年になる前に禁煙すれば、喫煙によるがんの危険性を90%以上カットできる。喫煙者にとって、いかなる時の喫煙も遅すぎず、早ければ早いほど良い。
 専門家は、「中国では現在、肺がんの発病率が毎年26.9%上昇しており、北京だけでも1974-2003年の間に、肺がんによる死亡者数が250%増となった。直ちに効果的な抑制措置を講じなければ、中国の肺がん患者数は2025年までに100万人に達し、世界一の肺がん大国になるだろう」と警鐘を鳴らした。
 喫煙は肺がんの最大の原因で、現在の喫煙方式を変えず、禁煙運動を進めなければ、2025年に中国では毎年約200万人が、タバコに関する疾病により命を落とすことになる。今世紀中頃には、毎年300万人がタバコに関する疾病で命を落とすだろう。
 専門家は、「喫煙により引き起こされることが確認されているがんには13種類があり、肺がん・喉頭がん・口腔がん・食道がん・胃がん・白血病・腎臓がん・膀胱がん・膵がん・乳がんなどが含まれる。受動喫煙により引き起こされるがんには、肺がんと白血病がある」と指摘した。

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