2014年01月06日-01月10日
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家電見本市CESが開幕、電子製品の技術競争が激化

2014年01月08日

 世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ ショー(CES)」が1月7日、米ラスベガスで開幕した。業界の重要なバロメーターである同見本市は今年、150の国と地域の約3200社の企業を集めた。4日間の期間中に、世界の有名メーカーが業界の流れをけん引する電子製品と技術を発表する。3Dプリンタ、4G携帯電話、ウェアラブルデバイス、曲面超高画質テレビ、車載スマートシステム、スマート家電などが注目点になり、新技術の渦を再び巻き起こす。
 ◆アジアの途上国、世界最大の市場に
 最新のデータによると、2013年は世界大衆家電製品の売上が記録を更新する一方で、市場構造に重大な変化が生じた。中国を中心とするアジアの途上国が初めて北米地域に代わり、世界最大の大衆家電製品市場となったのだ。しかし業界内のアナリストは、「モバイル通信機器を始めとするハイテク製品の勢いが新興国市場で衰えるにつれ、2014年の世界大衆家電製品市場が低迷する可能性がある」と予想した。
 米コンシューマー・エレクトロニクス協会(CEA)のチーフエコノミストであるShawn DuBravac氏は取材に応じた際に、「北米というリーダーが、中国を中心とするアジアの途上国に抜かれることは、すでに紛れもない事実となっている。これは必然的な流れでもある。中国市場は人口という大きな強みを持っているが、多くの優秀な中国企業と製品が登場し、この市場に希望をもたらしていることを否定できない」と指摘した。
 ◆コスパの高い「マスカスタマイゼーション」の時代
 CES開幕の数日前、10数社の有名メーカーが競うようにして新製品発表会を開いた。各社は新製品を発表する他に、ミドルエンド電子製品の規模化に照準を定め、これを業界の新たな成長源としている。
 DuBravac氏は、「今年のCESの最大の特徴は、スマート技術のさらなる大衆化で、より多くの消費者にコストパフォーマンスの高いハイテク製品を提供することが可能となった。コストパフォーマンスの高いマスカスタマイゼーションの時代が間もなく訪れるだろう」と楽観的に語った。
 3Dプリンタはマスカスタマイゼーションを可能にする。今年のCESは初めて3Dプリンタの特別ブースを設け、同産業の現状と需要を際立たせている。また関連ブースは発表と同時に満席になり、3Dプリンタに対する意欲が伺える。
 ウェアラブルデバイスはもう一つの注目点で、マスカスタマイゼーションを最も良く具現化できる。こうした通信機器は個人の好みに応じ、個性化されたサービスを提供できる。例えばユーザーが疲れている時に、スマートウォッチもしくは健康管理デバイスは即座にネットワークに接続し、リラックスできる音楽を流す、といった具合だ。
 超高画質テレビでも競争が激化している。いわゆる4Kテレビが今年のCESの「標準装備」になり、年内に多くの商品が発売されるだろう。ソニー、パナソニック、サムスン、LG、東芝、シャープ、および中国の海信(ハイセンス)や同方国際などのテレビメーカーは、より大型で美しい、さらに価格が割安な4Kテレビを発表する。サムスンは6日、105インチの曲面有機EL(OLED)超高画質テレビを発表した。海信は最新の「U-LEDディスプレイ技術」を発表し、競争をエスカレートさせることになる。他にも海信がこのほど発表したスマートテレビ「VIDAA」など、多くのスマート家電製品も今年の注目点になっている。
 スマートカーについては、世界トップ10社のうち9社が今年のCESに出展する。グーグルは6日、自動車メーカーのアウディ、ゼネラル・モーターズ、ホンダ、ヒュンダイ、半導体メーカーのNVIDIAと共に業界団体「Open Automotive Alliance(OAA)」を結成した。これは自動車業界の革新の加速を目的としている。
 ◆中国企業の新製品に注目
 中国の大衆家電製品メーカーは業績が好調で、出展企業も増加を続けている。統計データによると、今年は937社の中国企業が出展を予定しており、新記録を樹立した。
 CEAのゲーリー・シャピロ会長は本紙に対して、「レノボ、ファーウェイ、ハイアールなどの有名な中国企業は、CESに優秀な製品をもたらすと同時に、自社の世界におけるブランドイメージを高めた」と指摘した。

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