2014年01月20日-01月24日
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中国が1万トン級海洋監視船を建造予定、日本を抜き最大規模に

2014年01月21日

 中国船舶重工集団公司(中船重工)が公式サイト上で発表した情報によると、同社の七〇四研究所はこのほど1万トン級海洋監視船を受注し、契約を締結した。現在世界最大の海上警備船は、日本海上保安庁に所属する排水量7175トンの巡視船「しきしま」で、中国最大の海洋監視船は4000トン級の「海監50」となっている。京華時報が伝えた。
 ◆1万トン級の海洋監視船、受注を獲得
 中船重工によると、同社の七〇四研究所が2013年に受注した公船の契約額は約2億8000万元(約48億3800万円)に達し、1万トン級・4000トン級の海洋監視船の契約を締結した。
 中船重工はまた、船舶用クラッチの製造に関する公式サイトの記事の中で、1万トン級海洋監視船の状況について次のように触れた。「このほど重慶歯輪箱有限責任公司の、1万トン級海洋監視船用クラッチの台上試験が順調に完了した。同試験は主に、1万トン級海洋監視船に用いられるクラッチの総合性能を検証するため実施された。台座の建設、試験状況は完全に実際の状況をシミュレートした(通常より劣悪な状況を想定)。試験のデータは1万トン級海洋監視船のプロジェクト推進にとって、重大な意義を持つ」
 ◆日本を抜き世界最大に
 「中国海監の新たな旗艦」と称される「中国海監50」が、2011年に配備された。4000トン級の同船は巡視と海洋調査を一体化した、中国で最大級の、総合能力が最高の、設備・装置が最先端の、技術力が最高の、多機能大型中距離海洋法執行公船だ。
 現在世界最大の海上警備船は、海上保安庁所属の巡視船「しきしま」(現在2隻)だ。同船の排水量は7175トンに達し、1番艦のしきしまは1992年に就役し、2番艦のあきつしまは2013年末に竣工した。同海洋監視船は2機のヘリを搭載可能で、航行速度は25ノット、最長航続距離は2万カイリに達する。35mm連装機銃を2基、20mm機関砲を2基搭載している。
 中国海監隊は中国国家海洋局に所属し、中国海監総隊、中国海監海区総隊(北海総隊、東中国海総隊、南中国海総隊を含む)、中国海監沿海省(直轄市・自治区)総隊、およびその支隊・大隊によって構成される。総人数は8400人以上で、航空機を9機、海洋監視船・巡視艇を200隻以上保有しており、海と空の高い共同法執行能力を持つ。1万トン級海洋監視船は、中国の海洋主権維持活動にとって、まさに鬼に金棒となりそうだ。

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