2014年01月20日-01月24日
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深海ロボットアーム、7000m級の耐圧試験に合格

2014年01月23日

 中国科学院が明らかにしたところによると、瀋陽自動化研究所が開発した7000メートル級深海ロボットアームが、このほど無錫市で耐圧試験を実施し、試験の指標がいずれも水深7000メートルの設計要求に達した。人民日報が伝えた。
 ロボットアームは有人潜水艇「蛟竜号」などの水中作業で最も頻繁に使用される作業ツールで、水中投入、回収、収集、スイッチ操作などを単独で完了できる。またその他のツールと協力し、水中のサンプル収集や測量などの作業を実施できる。ロボットアームの末端部はカメラの支点となり、各アングルからの動画情報を得る補助となる。これまで中国の7000メートル級ロボットアームの開発は、空白の状態であった。
 7000メートル級深海油圧ロボットアームは、瀋陽自動化研究所が単独で担当する国家ハイテク研究発展計画(863計画)のプロジェクト「深海潜水艇作業ツール・共通部品・作業技術」の重要な開発設備だ。同プロジェクトの担当者、瀋陽自動化研究所副研究員の張奇峰氏は、「研究チームは小型の信頼性の高いロボットアーム、使いやすい操作画面を持つソフト、7000メートルの水圧に耐えうる湿式コントローラ、位置を知らせるロボットアーム駆動シリンダを自主開発し、深海における油圧ロボットアームの駆動、密封、コントロール、パーツ・電子部品の耐圧などの重要な技術難題を解決した。同試験の成功は、中国が自主開発した深海ロボットアームが技術のボトルネックを突破し、国内の7000メートル深海ロボットアーム設備の空白を埋め、試作機から製品化の段階に移る条件を備えたことを意味し、中国の深海作業に設備面のサポートを提供した」と説明した。
 同チームが開発した試作機には、他にも潜水艇専用作業ツールの油圧カッター、ケーブル投入機、共通部品油圧雲台、油圧補償器が含まれる。各試作機の7000メートルの設計指標も、試験によって検証された。同チームは今年中に海上試験を実施し、海の実際の環境においてロボットアームの総合的な使用性能の試験を実施する予定だ。

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