2014年02月03日-02月07日
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玉兎号が目を覚ます、着陸機は計画通り作業を実施

2014年02月14日

 中国国家国防科技工業局がこのほど明らかにしたところによると、月面ローバー「玉兎号」は12日午後に日光を浴び、自主的にスリープ状態を解除した。月探査機「嫦娥3号」の着陸機は11日2時45分に自主的にスリープ解除し、月で3日目の昼の作業に入った。人民日報が伝えた。
 玉兎号は月で2日目の夜のスリープ前に発生した制御面の異常により、極端な低温状態という試練を受けた。しかし3日目の昼の正常なスリープ解除には影響がなく、地球の制御センターと各測量・制御ステーションのデータ受信・処理も正常を維持している。関係者は分析を進め、地球上での試験・検証を続けて、玉兎号のトラブルシューティングを実施している。
 3日目の昼の作業期間に入り、着陸機に搭載された設備が再起動した。これらの設備は計画に基づき、今後の科学観測を実施する。
 これまで月の天体望遠鏡が天体観測を実施し、天体の画像を収集した。極紫外線カメラは地球のプラズマ層の観測結果を獲得した。3日目の昼の作業期間中、この2 種類の設備は長期的な科学観測を実施し、より多くの科学データと観測成果を手にする予定だ。
 1日目と2日目の昼の作業期間中、玉兎号に搭載された4台の設備が稼動を開始し、各観測点で科学観測を実施した。パノラマカメラ、月測定レーダー、赤外線分光計、アルファ粒子X線分光計は多くの科学観測データを獲得した。これらのデータは観測地点の地形・地質構造・物質成分・浅層構造を一体化した総合地質断面図、および地球化学・構造動力学の研究の基礎を築いた。
 嫦娥3号は月面軟着陸と自動月面探査を実現し、かつ大量の科学データを獲得した。これは月探査プロジェクト第2期の目標が実現されたことを意味する。科学者は今後、限りある月の昼の時間を活用し、出来る限り多くの科学データを獲得し、すでに得られたデータの研究を強化し、月探査の技術経験を積み重ね、科学的な認識を深めていく。

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