2014年04月07日-04月11日
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IODP第349次研究航海、南中国海の形成の謎を解明

2014年04月11日

 中国科学技術部(省)が明らかにしたところによると、中国人科学者が提案し中心になって取り組んでいる統合国際深海掘削計画(IODP)第349次研究航海が南中国海で無事終了し、南中国海の形成時期の直接的な証拠が得られた。科技日報が伝えた。
 第349次研究航海は新たな10カ年におけるIODPプログラム(2013−2023年)の始動後で初となる調査掘削活動で、62日間に渡り実施された。その目的は、大洋の玄武岩および南中国海海底の重要な沈積層のサンプルを入手し、南中国海の海盆の変化の過程、中生代以降の東南アジアの構造および気候の関係、およびそれに応じる深部マントル層の変化の過程を明らかにすること。第349次研究航海は、中国およびIODPの資金援助を受け、米国の掘削船「ジョイデス・レゾリューション」が使用された。
 第349次研究航海は、5カ所で海底コアを掘削し、2カ所で地球物理検層作業を実施した。掘削の深度は4300メートルに達し、そのうち沈積岩のコアは約2300メートル、玄武岩のコアは約200メートルに達し、貴重な地質サンプルを入手した。今後は全面的な南中国海の科学研究が可能となった。11の国と地域の32人の科学者(うち中国人が12人、中国系が6人)は現場で地質・地球化学・地球物理・微生物などの測量・分析を完了した。
 第349次研究航海の任務はすでに終了しており、初歩的な分析結果によると、重大な発見があった。例えば、南中国海の形成時期の直接的な証拠が見つかった。南中国海の形成の過程において、大規模な火山噴火が複数回発生したことが分かった。科学者はまた、南中国海の海盆の沈殿が変化を繰り返した歴史を明らかにした。掘削により、大規模なタービダイトとカルシウム質微化石が幾層も重なり、玄武岩の基底に数十メートルの厚さを持つ黄褐色の泥岩があることが分かった。この結果は、南中国海の形成後に複雑で変化の激しい沈積環境があったことを証明し、南中国海および西太平洋の変化の歴史を研究する貴重な証拠となった。

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