2014年05月05日-05月09日
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第2世代メール安全システム、中国が開発に成功

2014年05月14日

 第1回中国情報安全クラウド創意産業発展ハイエンドフォーラムで発表された情報によると、中国国家情報センターが中心となり独自に開発した第2世代Eメール安全システム「雲視窓第2世代メールシステム」(略称はCwindow Email2.0)が、実用化の段階に入った。科技日報が伝えた。
 伝統的なメールシステムには、送信・保存・管理に安全管理がなく、情報漏洩、傍受、パスワード解読といった深刻な安全リスクが存在する。メールは近年、国家機密・個人情報漏洩の主要ルートとなっている。電子情報のネット上の伝送・保存の安全性を確保するため、国内外の一部メーカーは標準的なプロトコルを基礎とし、安全性能を強化した。しかしメールの安全性を改善しただけで、根本的に問題を解決しておらず、「Heartbleed(心臓出血)」などのSSL製品そのものの安全面の不備、メールの内容の窃盗、メールのネットワークを跨ぐ移動の安全性といったリスクが存在している。
 モバイルネットワークの応用の持続的な深化、ビッグデータおよびクラウドコンピューティングの時代の到来、中国が長期的に直面している複雑な国際環境により、メールおよび電子情報の安全に大きな課題が突きつけられている。中国国家情報化専門家諮問委員会委員の沈昌祥氏は、「日増しに深刻化する国際ネットワーク空間の情勢を受け、我々は国情に根ざし、戦略計画およびトップダウン設計を強化し、堅固な情報安全保障システムを構築し、中国を世界ネットワーク空間の安全強国にするため取り組む必要がある」と指摘した。
 中国が独自に開発した第2世代メール安全システムは、伝統的なメールとの間に互換性を持ち、さらにメールの「安全封筒」機能を持つ。これは独自に開発された、ユーザーのプライバシーの安全を保障する規格だ。これにより、データセンターのサーバの管理者でも内容を見ることが出来ず、ユーザーのメールの保存・送信・伝送の管理と感知が全面的に実現された。この革新的な技術は世界IT業界でも初の例で、ネットユーザーのデータ・プライバシー保護に最も根本的な技術サポートを提供した。
 専門家は、「同システムは中国IT産業に根ざす独自の革新体制であり、中国産チップ、OS、事務用ソフト、データベースシステムなどの中で自主制御が可能なメールシステムだ。これにより下から上への技術体制自主制御、上から下の情報伝送・制御を実現した。伝送・転送の流れを可視化したことで、国家機密および個人情報のメールからの漏洩を効果的に防止できる」と説明した。

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