割安で栄養価も高い人工卵、香港で発売へ

2014年05月27日

　植物で作った「人工卵」を食べる勇気はあるだろうか？李嘉誠基金会などが1億8000万香港ドル（約23億6700万円）を投じた植物卵が、今週木曜日より香港のスーパーチェーン「百佳超市」で発売される。植物卵の開発者であるジョシュ・テトリック氏は広州で、大公報の取材に応じた際に、「植物卵の栄養価は、一般的な鶏卵を25％上回るが、価格は半額だ。半年後に、内陸部市場への進出を計画している」と述べた。香港紙「大公報」の報道を引用し、中国新聞網が伝えた。
　食品安全は、香港人の注目の的になっている。近年の鳥インフルエンザなどの疾患の脅威により、香港人は鶏卵の安全を疑問視している。米国出身のテトリック氏（33）は、植物から異なる栄養分を抽出することで、鶏卵と味・栄養価・機能が同じ卵製品を開発した。この「人工卵」はアジア有数の富豪として知られる李嘉誠氏にも試食され、李嘉誠基金会などから1億8000万香港ドルの投資を獲得した。
　テトリック氏は、植物卵の安全性、遺伝子組み換えなどに関する記者の質問に対して、「鶏の飼育が鶏卵の70％のコストを占めているが、植物卵は飼育の必要がなく、エネルギー消耗および伝染病のリスクをカットできる。植物油は伝統的な食物構造を覆したが、遺伝子組み換え食品ではなく、米国で唯一合法的な非遺伝子組み換え認証組織『non-GMO project』の認証マークを取得した」と説明した。
◆価格は1ポンドあたり約2.99香港ドル
　テトリック氏は、「植物卵の生産工場は米カリフォルニア州に位置する。昨年末にマヨネーズの形で米国の各大型スーパーで販売を開始し、カルフールの食品類の販売ナンバーワンに輝いた。植物卵は今週木曜日（29日）ごろに、正式に香港の百佳超市で発売される。価格は1ポンド（453.6グラム）あたり約2.99香港ドルで、栄養価は一般的な鶏卵を25％上回る。またグルテンとコレステロールを含まず、保存期間も長いが、価格は鶏卵の約半額だ。植物卵は百佳超市で3カ月間先行販売し、その後他店で販売していく」と述べた。