2014年05月19日-05月23日
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スマート小売ビッグデータ体験センター、オンライン試着室が現実に

2014年05月27日

 カメラの前に立つだけで、売り場の衣料品を試着したり、メガネのフレームを試すことができる。ショッピングをしながら、スマートフォンで好きなブランドの販促情報を受信し、そこまで案内してもらえる。商品購入後、2次元コードを読み取るだけで、手軽に支払いを完了できる――。このようなショッピングを可能とする中国初のスマート小売ビッグデータ体験センターが、このほど蘇州国際科学技術パークで運営を開始した。科技日報が伝えた。
 多くの実店舗が電子商取引(EC)に進出し、オンライン・オフラインを融合させたO2O事業を発展させている。実店舗は顧客情報に限りがあり、顧客に合ったサービスを提供できない。顧客を実店舗に引きつけると同時に、店員が顧客の需要を理解し、それに応じたサービスを提供するには、どうすれば良いだろうか?蘇州盈聯智能科技股フェン有限公司の関志恒董事長(会長)は、「当社は実店舗にEC事業者と同じビッグデータを提供し、同じスタートラインに立たせようとしている」と語った。
 分かりやすく言えば、売り場内の顧客がスマートフォンでWi-Fiに接続すれば、システムが測位技術を利用して顧客の入店・退店の時間、最も長く留まったエリア、興味を感じた商品を記録し、顧客の行動と需要を理解できる。
 同センターを取材した記者は、売り場に設置されたパソコンの画面の前に立ち、マウスを操作し、自分の好きなメガネのデザインを選択した。画面上部のカメラは、記者の輪郭をとらえ、メガネのサイズを調整し、顔に掛けた。これが気に入れば、利用者は写真を撮り、Eメールや微信(WeChat、中国版LINE)でこれを売り手に送信するか、ネット通販で直接注文することができる。このオンライン試着室は、自分の身体や顔の比率に基づく試着が可能で、リアル感が増し、ネット通販で購入後、サイズが合わず返品するという手間が省ける。家具の購入も同じだ。A4の紙を壁の角に置き、タブレットPCのカメラを向ければ、システムはサイズの適したソファーやテーブルを配置してくれる。
またビッグデータ解析による個別化されたPR、顧客の購入記録およびSNS情報の追跡・理解による需要の把握、各種データバンク・CRM・POSの融合により、さまざまな顧客の異なる場合に適した正確なマーケティングを展開できる。

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