2014年06月02日-06月06日
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世界一流のタンパク質科学研究施設、上海で公開

2014年06月04日

 全国科学技術活動ウイーク(5月17日—24日)の期間中、中国科学院上海生命科学研究院は「公衆科学デー」を催し、23日に「科学研究の空母」と呼ばれるタンパク質科学研究(上海)施設を初公開した。同施設は中国のバイオ科学界としては初の総合的な国家級重大科学技術インフラで、今年中に使用者と各業界に開放される見通しだ。科技日報が伝えた。
 世界一流のタンパク質科学研究システムと、国家タンパク質科学技術の重要な革新拠点を形成するため、中国は2008年11月に「タンパク質科学研究施設国家重大科学技術インフラ整備」を、国家ハイテク産業発展プロジェクトに盛り込んだ。同施設は2010年12月26日に、浦東新区の張江ハイテクパークで着工され、投資総額が7億元(約115億円)に達した。建築面積は3万3000平方メートル。
 国家タンパク質科学センター・上海(仮)は、同施設の効果的な稼働を保証すると同時に、タンパク質マルチスケール解析、動的構造、修飾・相互作用、設備の自主革新と集約化、バイオ情報学・計算生物学の研究を重点的に実施する。また分子・細胞・個体レベルのタンパク質の構造・機能の研究に、全面的な技術と条件を提供する。
 同センターの雷鳴センター長は、「総合的な世界一流のタンパク質研究の場は、世界でもこれまで存在しなかった。今後2−3年間で、同施設は国内外の科学者が交流・協力をする、科学研究の場になる。当センターも同施設を利用し独自の科学チームを育成し、中国のタンパク質科学技術能力を、海外の技術への依存から自主革新へと向かわせる」と述べた。

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