2014年06月23日-06月27日
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中国製人工椎間板の開発に成功、欧米の独占を打破

2014年06月23日

 中国は頚椎外科の分野で新たな進展を実現した。四川大学華西病院が18日に発表した情報によると、初の国産頚椎人工椎間板を使った手術が10日に行われた。これにより同分野における欧米の独占が打破された。中国新聞網が伝えた。
 頚椎症は頚椎の長期的な疲弊、骨過成長、椎間板ヘルニア、靱帯肥厚といった現象により、頚部脊柱、神経根、椎動脈が圧力を受けることによって生じる。伝統的な頚椎癒合手術ならば、頚椎椎間板ヘルニアを治療できるが、術後は長期的に頚部を動かすことができず、頚椎全体の運動機能が低下するといった問題がある。
 同病院整骨科の劉浩教授は10年前、海外から人工椎間板置換術を導入し、創生集団と7年間の取り組みを経て、中国人に適した人工椎間板を共同開発した。
劉教授は、「輸入人工椎間板は欧米人の頚椎の構造に基づき設計されており、中国人患者の2−3割が使用に適していない。これは置換術の効果に影響を及ぼす事が多い」と指摘した。
 劉教授が率いる研究チームは、中国人の特殊な頚椎サイズに基づき、中国人に適した製品を開発した。同病院は6月10日、初の国産人工椎間板による置換術を実施した。患者の術後の経過は良好で、頚部の簡単なリハビリ運動も可能だった。
 国産化された人工椎間板は、チタン合金や高分子ポリエチレンなどの材料を使用している。ドイツの検査センターでの検証結果によると、その耐摩耗性は多くの輸入製品を上回った。
 中国国内で流通している輸入人工椎間板の価格は約6万元(約98万4000円)に達するが、国産化の実現でその価格は半額以下になる。劉教授は、「これは輸入製品の値下げを迫り、中国人患者に利益をもたらす」と述べた。

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