2014年06月23日-06月27日
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火星の隕石、降水を裏付ける同位体が発見

2014年06月27日

 中国科学院地質研究所が26日午前に発表した情報によると、同研究所・比較惑星学研究チームのポストドクターの胡森氏、共同指導教員の林楊挺氏らが火星の隕石の分析を行った結果、初めて火星で雨が降ったことを裏付ける同位体を発見した。これは火星の早期により深い海洋があり、多くの水が火星から失われていったことを意味する。
 火星は深宇宙探査の注目点になっている。人類はたゆまず火星探査に取り組んでいるが、その最大の動機は、地球外生命体の発見だ。火星の表面には、かつて水が流れていたことを示すさまざまな地形的な特徴がある。それならば生命を育む基本的な条件が備わっていたという論理だ。
 研究者らは、同研究所のイオンマイクロプローブ質量分析計を使い、火星の隕石のマグマ包有物と燐灰石の水含有量、水素同位体の組み合わせを分析した。研究の結果、米国の火星探査機「キュリオシティ」の火星土壌水分に関する最新の探査結果と一致した。
 同研究は、これがマグマ水ではなく大気水であることを証明した。火星に雨が降ったことを裏付ける同位体が発見されたのは、これが初めてだ。水のマグマ包有物における拡散のシミュレーションにより、液体水が存在した時間を推算できる。

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