2014年07月01日-07月04日
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ろ過膜処理技術の応用、北京で10万立方メートルの節水効果

2014年07月02日

 北京市の節水策は、浄水場にまで及んでいる。記者は1日、北京市自来水(水道水)集団田村山浄水場の、前日稼働開始したばかりの限外ろ過膜処理施設を取材した。黄色く濁った工業排水が、凝集、沈殿、ろ過膜処理などの過程を経て、わずか70分ほどで国家基準に合う透明な水道水になった。同施設の稼働により、北京市西部の緊急水供給能力が4万立方メートル拡大された。そのうち半分は、これまでならば廃棄されていた工業排水だ。北京市のすべての地表水浄水場は工業排水の回収を実現しており、1日平均で約10万立方メートル節水している。北京青年報が伝えた。
 同浄水場内に単独で設置されている限外ろ過膜処理施設に足を踏み入れると、混合プール、凝集プール、ろ過膜プールなど、大小様々なプールが並べられていた。960平方メートルの施設内は、さながら北京最大の第九水場(第9浄水場)の縮小版のようだ。混合プール内の水は黄ばんでおり、「この水が飲めるようになるのか?」と疑問を禁じ得なかった。作業員は、「この水は工業排水で、濁度が高く、有機物が多く含まれているため、以前ならば再利用は不可能だった。現在は限外ろ過膜処理技術により、透き通った水道水に変えることができる」と説明した。
 濁度が4.33NTUの水が混合プールから凝集プールに移ると、底に赤い沈積物がたまる。作業員は、「これは凝集剤による反応で、水の中の膠質や微粒子を包み、絮状沈殿物になる。凝集された水はろ過膜プールに移され、きれいになった水が別のプールに移動する。濁度は0.02NTUになり、国家飲用水基準の1NTUを大幅に下回る」と語った。
 同浄水場の関係者は、「黄色く濁った水は約70分で透明な水になる」と述べた。記者がこの水をペットボトルに詰めてみたところ、ミネラルウォーターとほとんど同じように見えた。

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