2014年07月14日-07月18日
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中国の大学、ワイヤレス電力伝送技術を開発

2014年07月16日

 7月12日に北京で開幕した第1回中国科学技術協会夏季科学展において、天津工業大学が開発した高速列車ワイヤレス電力伝送技術が、先進科学技術成果(全17件)の1つとして展示された。同技術は高速列車にフレキシブルなワイヤレス電力供給を提供し、電力の効率的な伝送と利用を実現した。また安全性と信頼性が高いことから、中国科学技術協会によって未来をけん引する10件の科学技術の一つに選出された。中国科学報が伝えた。
 現代的な軌道交通において、信頼性の高い電力供給は、高速列車の安全運行の支柱になっている。高速列車の電力供給方式は、パンタグラフと給電用架線の接触を採用している。この方式には、摩擦による摩滅、振動による途切れ、アーク放電、降雪などの悪天候による停電といった問題がある。
 高速列車の使用電力は10MWに達する。高速列車の速度向上に伴い、多くの受電器で電力の供給を受け、電力の質を管理しなければ、列車の運行の需要を満たせなくなる。上述した方式の欠点は、高速列車の発展の妨げになる。高速列車の安定的かつ信頼性の高いワイヤレス電力供給技術については、国内外で研究成果が発表されていない。
 天津工業大学工学電磁場・電磁技術研究チームの責任者の楊慶新氏は、「チームが開発した高速列車用ワイヤレス電力伝送技術は、電力供給の質を高め、高速列車にフレキシブルなワイヤレス電力供給方式を提供することが可能だ。電力の効率的な伝送と利用を実現し、伝統的な供給方式よりも効率的で、安全で信頼できる」と説明した。

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