2014年07月28日-07月31日
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最古の三国志、新疆で発見

2014年07月30日

 ある1枚の古文書の断片が、文化財保護関係者による検証の結果、265-420年に記録された「三国志・孫権伝」であることが明らかになった。新疆博物館で開催中の古文書保護研修活動で得られた情報によると、この古文書は1965年にトルファンで発見されたもので、現存する最も古い三国志の写本として新疆博物館に保管されている。光明日報が伝えた。
 同博物館の劉イ副館長(イは火に韋)は、「新疆博物館が保管している紙製の文化財は1万点弱に達し、古文書の他にも、紙幣・土地売買契約書・証明書など近現代の文化財が含まれる。この中国最古の三国志の写本の他にも、中国最古の切り絵、最古のお守り、最古の絵画『墓主人生活図』などがある」と説明した。
 中国最古の切り絵作品(約1500年前)は、トルファン・アスタナ北朝古墳群から発見された。模様は典型的な中原風のものだ。その保存状態は良好で、北朝時代に切り絵がトルファンで流行していたこと、内陸部と新疆の文化交流が頻繁であったことを証明している。
 「墓主人生活図」は中国最古の絵画で、6枚の絵によって形成されている。時代は今から約1800年前のもので、シンプルな構成ではあるが、魏・晋の時代の貴族が生前に豪華絢爛な暮らしを送っていたことを示している。絵の中には汗血馬、鳳凰、下女などの姿が描かれている。その服装などの詳細な点には、中原の漢文化が色濃く反映されている。
 劉副館長は、「紙の文化財は傷みやすく、数千年の時を経ており保存が困難だ。早期の修復・保護作業では基礎となる修復を行い、汚れを落とし、平らにし、表装をする。新疆博物館では、科学的な技術による修復手段も徐々に整いつつある。紙の文化財を科学的・系統的に保護するのは、文化財の寿命を出来る限り延長し、その価値を最大限に高めるためだ」と述べた。

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