2014年07月28日-07月31日
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月の核、液体核が存在か?

2014年07月31日

 中国、米国、日本の科学者の国際共同研究チームのコンピュータ模型によると、月は硬い固体のみによって構成されているのではなく、液体の層による外核があるようだ。研究者は、「この仮説が裏付けられれば、伝統的な月の起源に関する理論が書き換えられる可能性がある」と指摘した。関連論文はネイチャー・ジオサイエンス誌の最新号に掲載された。科技日報が伝えた。
 月の半径は約1700キロあり、月面から深さ数十キロまでの層が地殻で、そこから1400キロまでの層が岩石によるマントルで、そこからさらに深い層は鉄などの元素によって構成される月の核だ。
 科学者が月周回軌道と重力の関連データを測定した際に、異常が発生した。この異常な現象を伝統的な月の模型では説明できないため、研究者らは月がすべて固体によって形成されているのではなく、液体の層による外殻がある可能性が高いと仮説を立てた。
 同チームは、「月の重力データを見ると、その内核の自転データと、その他の固体のみであることが証明されている内核の自転データとの間に差があることが分かる」と指摘した。研究チームはこの現象に基づき、上述した仮説を打ち出した。物理学関連サイト「Phys.org」は7月29日、「この仮説を証明するため、研究者はコンピュータ模型を構築し、月・地球・太陽の引力についても考慮した。同模型によると、液体層の月の核重力データに対する影響は、実際の月のデータと合致する。これは、この液体層が確かに存在し、かつ長時間存在している可能性が高いことを意味する」と伝えた。
 研究者は、「同研究は始まったばかりで、さらに多くの詳細な点を考慮しなければならない。最終的にこの仮説が裏付けられれば、科学者は月の起源に関する理論を再考する必要があるかもしれない」と語った。

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