2014年07月28日-07月31日
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浙江大学、肝硬変と腸内細菌の秘密を解明

2014年08月01日

 ネイチャー誌(電子版)は、論文「肝硬変における腸内細菌の変化」を掲載した。浙江大学医学院付属第一病院の研究チームは、肝硬変と腸内細菌および微生物との関係に関する分析・研究を初実施し、腸内細菌の変化の面から肝硬変の発症・発展のメカニズムを解明し、漢民族の健康なボランティアと肝硬変患者の腸内細菌の構造および機能・成分的特徴を把握し、腸内細菌と肝硬変の秘密を明らかにした。
 同論文の著者であり、同病院の伝染病診断治療国家重点実験室長、感染症疾病診断治療共同革新センター長の李蘭娟氏が率いる研究チームは、中国人の腸内細菌のサンプル181件(中国人肝硬変患者の糞便のサンプルが98件、健康な中国人ボランティアの糞便のサンプルが83件)を収集し、肝硬変の腸内細菌の測定と分析を進めた。
 これを踏まえた上で、研究チームは世界初の肝硬変腸内細菌遺伝子データを形成した。これらのデータには269万個の遺伝子が存在し、そのうち36.1%を占める97万個は初めて発見された遺伝子だ。欧州・米国・中国の糖尿病患者の遺伝子データと比較したところ、肝臓病遺伝子データに79万個の独特な遺伝子があることが分かった。
 研究者は、「肝硬変患者は、ある腸内細菌が健康な人と比べ極端に少なく、数種類の細菌は多めとなっていた」と述べた。
 研究者は、肝硬変患者の口腔細菌は腸内に入るが、健康な人にはこの現象が見られないことを初めて発見した。これは肝硬変の発症・発展に重要な影響を及ぼしている可能性がある。

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