2014年07月28日-07月31日
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科学調査船「雪竜号」、流氷に遭遇

2014年08月01日

 科学調査船「雪竜号」は31日、北緯72.5度のチュクチ海で科学調査を実施中に、大規模な流氷に初遭遇した。新華社が伝えた。
 雪竜号は31日朝にまばらな流氷に遭遇し、夜になると流氷が海面の80−90%を満たすようになった。船体は時折、流氷にぶつかった。
 専門家は、「今年7月の北極海から低緯度に向かい流れる流氷は少なめで、氷の溶ける速度が緩慢なため、北極海・北太平洋の流氷が深刻になっている」と指摘した。
 中国極地研究センター極地海洋研究室副研究員の雷瑞波氏は、「過去数回の北極観測と比べると、雪竜号がこの緯度に到達した時期は1週間ほど遅い。しかし流氷は過去と比べて大幅に多い。これまでは、この緯度に到達するまでにこれほど密集した流氷が出現することはなかった」と語る。
 北太平洋の流氷は、7月としては5年ぶりの量となっている。雷瑞波氏は、「北極海の流氷の溶ける量は8月が最多で、9月中旬になると流氷の面積と範囲が年間最小となる。北極観測隊の北極海中心海域での科学調査は8月に集中しており、流氷が溶けることで現在直面している問題が解消される可能性が高い」と語った。
 船長の沈権氏は、「流氷は現在、雪竜号の航行に大きな影響を及ぼしていない。しかし流氷の密度と強度に基づき安全な航行速度を選び、大きな氷を避けるか、船体で流氷にぶつかり進む必要がある」と述べた。

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