2014年08月11日-08月15日
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中国、海洋生物遺伝子バンクを構築へ

2014年08月19日

 中国科学技術部(省)の基礎研究関連部門は、「わが国近海の海洋生物遺伝子コード資源バンクの構築」プロジェクトを立ち上げた。同プロジェクトは中国科学院海洋研究所が担当し、5年間で海洋生物遺伝子コードデータバンクを構築し、海洋生物の検査・識別の基準を形成する。人民日報が伝えた。
 研究者は中国近海の原核生物、植物、浮遊動物、大型海底無脊椎動物、魚類などの中から、一般的で、重要で、代表的で、人々の生活と密接に関連する重要海洋生物を選択し、遺伝子コードの解析とデータバンクの構築を行う。2000の種をカバーし、1万5000件のデータを基礎とする遺伝子コードデータバンクを、5年内に構築する見通しとなっている。
 専門家は、「海洋生物の種の正確な識別は、海洋環境の保護、資源の持続可能な利用、海洋経済の発展、海洋科学研究の基礎的活動にとって有益だ。しかし中国の専門的な海洋生物分類学研究チームの規模には限りがあり、伝統的な形態に基づく検査方法は範囲が狭く、海洋科学研究、海洋経済、海洋の管理の需要を満たせない」と指摘した。同プロジェクト首席科学者の李新正氏は、「遺伝子コードにより海洋生物を識別し、すべての種に一本の物差しを作る。これがデータバンクの役割だ。データバンクの構築後、海洋生物は自分の『分子身分証』を手にすることになるだろう」と述べた。

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