膀胱がんは泌尿器科で発症率が最も高い悪性腫瘍だ。上海第十人民病院は20日、同病院の泌尿器科専門家の鄭軍華氏と復旦大学上海医学院教授の劉秀萍氏が率いるチームが、膀胱がん浸潤・転移のメカニズムの研究で画期的な進展を実現したと発表した。同チームは腫瘍細胞の「特別通行証」、つまり上皮間葉転換(EMT)の関連遺伝子を発見した。これにより膀胱がんの再発・転移のリスクの早期予測が可能になるかもしれない。中国新聞網が伝えた。
研究者は膀胱がん皮下腫瘍と肺に転移した腫瘍の模型により、遺伝子「PPM1A」に腫瘍の成長と転移を抑制する働きがあることを証明した。研究者はPPM1Aの影響を受ける遺伝子を選別し、EMTと密接な関連性を持つ遺伝子を発見した。研究者は、PPM1Aの膀胱がんの浸潤・転移に対する調節が、EMTの関連遺伝子の影響を受け実現されることを証明した。
関連する調節のメカニズムが完全に解明されれば、膀胱がんの再発・転移のリスクの早期予測が可能になるかもしれないという。再発・転移しやすい患者は、本人の症状に合わせた治療介入を事前に受けることが可能になる。