中国人民解放軍軍事医学科学院は20日、同学院放射輻射医学研究所が、エボラウイルスDNA配列に基づき開発した、知的財産権を持つ「エボラウイルス核酸検査試薬」が、解放軍総後勤部衛生部の専門家による承認審査をパスして、正式に生産体制に入ることを明らかにした。同薬の生産を担当するのは、深セン市普瑞康バイオテクノロジー有限公司で、中国がエボラウイルスの初期診断と予防・コントロール施策を行う上で、技術面での重要備蓄物となる。人民日報が伝えた。
検査試薬が採用した「複合プローブ」技術は、王昇啓研究員が率いるチームが発明した、核酸検査の新しい特許技術で、2010年軍隊科技進歩一等賞、2011年国家技術発明二等賞を受賞した。同技術を利用し開発された、A/H1N1型、H7N9型インフルエンザウイルス、「スーパー細菌」抗菌薬遺伝子NDM-1などの検査試薬は、軍隊特需証書もしくは国家登記証書を取得し、中国の突発的な伝染病の予防に貢献を成し遂げた。
エボラウイルスのバイオセーフティレベルは4。感染者の致死率は最高で90%に達し、SARSの10%を大きく上回る。世界には現在、予防ワクチンも効果的な治療薬も存在しないため、早期診断が感染症の予防にとって極めて重要になっている。同製品の審査を担当した専門家は、「この最新の技術的手段を用いることで、感染の疑いのある人の早期診断・隔離・治療を実現し、感染症の拡大を効果的に防ぐことができる。これは中国の公衆衛生安全にとって、非常に重要な意義がある」と指摘した。