2014年09月08日-09月12日
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顔認証決済システム、パスワード漏洩のリスクを解消

2014年09月09日

 オンライン決済でパスワード、確認コードを入力せず、カメラで顔を直接撮影すれば、より便利で安全だ。中国科学院重慶研究所は、国内で初めて顔認証決済システムを開発した。オンライン決済は、モバイル端末のカメラ機能を使うだけで実行できるようになった。重慶晨報が伝えた。
◆6秒内で決済完了
 同研究所のスマート・マルチメディア技術センター長の周曦氏は、「顔認証決済システムの重要な技術研究を完了した。当センターが世界で初めて開発した顔データ収集アレイは、91の角度から顔データを収集し、顔認証に最大の影響を及ぼす光、角度、障害物などの状態に対して、最良の認証効果を発揮する。当センターの顔認証システムは、自動通関システム、動的顔認証勤務チェック装置、多属性・動的顔認証システムなどに活用されている。当センターはこれを踏まえた上で、顔認証モバイル決済システムを開発し、顔の撮影のみでの決済を可能にした」と説明した。
 周氏は、「撮影による決済は1秒で終了する。当センターは、顔認証モバイル決済アプリを開発中だ。ユーザーは端末(携帯電話、タブレットPC)に同アプリをインストールし、口座情報もしくはクレジットカードを顔認証決済システムと結びつければ良い。ユーザーがカメラで写真を撮影すると、システムは1秒内に身分認証を終え、スムーズな決済を実現する。決済のすべての過程が、4−6秒内に完了する」と語った。
◆双子も識別可
 周氏は、「顔認証は、人の外観の特徴に関する情報を使い身分を認証する。同技術の最大の特徴は、個人情報の漏洩を防ぎ、接触せずして識別を行える点にある。人の顔は指紋と比べコピーが困難で、パスワードを忘れたり、パスワードが漏洩するリスクもないため、安全性が高い」と指摘した。
 周氏は、「システムはデータベースの顔に対する分析、200万の顔の特徴の組み合わせの分析を通じ、スマート化されたアルゴリズムを形成した。一般人には見分けがつかない双子でも、システムならば一目で区別できる。そのため認証ミスの可能性は非常に低い」と語った。
 同システムはオンライン学習の能力を持つ。顔認証のたびに、システムは人体の変化(痩せる、太るなど)に関する特徴を自動的に学習する。ユーザーは体重の増減が認証結果に影響を及ぼすことを心配しなくてもよい。同センターは1000人以上の内部試験を実施しており、正解率は99.8%に達している。

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